表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
能力者のいる普通の日常  作者: 片隅 銀
5/37

崩れかけてゆく日常(前編)

翌日、俺は普通に登校していた。


いつもの道を、雫と一緒に。何事もなく。

俺達の登校時間はだいぶ早い。

だからと言って部活に入っているわけではない。

いつもクラスで一番早く来て、教室を開けて、

雫と一緒に話したり、ボーッと外を見たりする日常を送っていた。


だが、今年度はそうはいかないらしい。



教室の扉を開いたら、長里 冷実安が自分の席に座って空をボーッと見ていた。

まるで、いままでの自分を見ている気分だ。


そして彼女は俺に気づいたのか、昨日と同じような不気味な笑顔を浮かべて、


「あら、結構早いのね」


と、まるでお決まりのようなセリフを言ってきた。


(何だ、このイライラは)

「お前こそ、早いじゃないか」


「私はいつもこの時間だからね」


(お前昨日転校してきたばかりだろ)

と心中ツッコミをしながら自分の席についた。


ちなみに俺の席は一番窓際のど真ん中にある、

ついでに長里の席はその二つ後ろだ。


荷物の整理だけやって雫のクラスに行きたいのだが……



「そういえば、雪成君は知ってる?「天」への行き方」



そんなことを聞かれたら、体が動かなくなるのも無理はないと思ってほしい。



しばらく沈黙が続いた。と言っても数十秒程度の間だが。

俺は辛うじて言葉を出すことができた。


「それは易々としゃべれる事じゃないだろ。それに、俺はお前の能力を知らない。そんな情報が不確かな奴に簡単には情報のやりとりはできない」


「そういえば、言ってなかったね!」


(真面目に忘れてたのか?)


「いい機会だし、今のうちに教えておくね」


そして、長里 冷実安は淡々と告げた。



「私の能力は普通の肉体強化。ああ、でも、「階級」は四と結構高い方ね」



先程、彼女が言った「階級」というのは、

文字通り能力者間での個が持つ能力の強さの強弱を表している。

階級は一から五まであり、一が1番弱く、五が1番強い。


ちなみに俺の能力は五にあたるらしい。

何故知っているのか?と聞かれたらどうしようもない。

「知ってしまうのだから仕方ない」と答えるしかないのだから。


「なるほど、ひとまずスッキリした」


「そう?じゃあ教えてくれる?「天」への行き方を」


(そういえばそんな話をしていた気がする)

「あいにくと、俺は「天」への行き方を知らない」


「そうなの?階級五の君なら手がかりくらい知っていると思っていたのだけど」


「それは残念でした」


(階級五となれば、それなりに有名になるものだな)


「昨日みたいにしらを切る気は」


「ない。逆に俺はお前に聞きたいと思ってたところなんだが」


「おあいにくさま」


「そうか……」


あちらも知らないと来たか。こりゃあ打つ手が無くなってきたかな?

そうこうしていると、



ガララララ!


と擬音したくなる音が聞こえ、そちらに目を向けると、



少し怒ったような表情を見せる一雨 雫が教室の扉の前に立っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ