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能力者のいる普通の日常  作者: 片隅 銀
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犯人

 二十分程で目的のコンビニに着く。

「あのーすみません?」

 取り敢えずその辺の警察官に声をかける。

「ん?って、なんで子どもがこんなところに?」

 まあそうなるわな普通。

「あーえっとー……その……」

「……?」

 しまったここでコミュ障が出てきた!えっとこんな時には……

「瀬西さんに頼まれて来たんですが……」

「瀬西さんから?取り敢えずそこで待ってなさい」

 待機命令が出たため素直に待つ。

 数十秒後、先程の警察官が責任者的な人を連れてきた。

「君が瀬西さんの言っていた雪成君かな?」

 こくりと頷く。確かに高校生と聞いてはいたが…、と何やら小声で文句を言っているようだが気にしない。

「取り敢えず犯人はここで立てこもってるから、無力化して引っ張り出せばいい。って事でいいですね?」

「あ?ああ。頼む」

 はてさて犯人はどんな奴かな?


 乱暴に店の扉を壊し、店の中に入る。

「ひいぃ!?」

 聞くからに臆病そうな男の声が聞こえる。

 店の電気は壊されており、シャッターが閉まっているためかなり暗い。

「だ、誰だよ!?人質がどうなってもいいってのか?!」

「ああ、その通り!俺にとって人質はどうでもいいんだよ!」

 ようやく目が慣れて辺りがよく見えるようになってきた。そこには、すこし奥で女の子が縄で締め付けられて座っているのと、レジでお札を乱暴に入れていたであろう男が手に持っている銃をこちらにむけてる情景があった。

「あん?お前、警察じゃねえのか?」

「ああ、俺はしがない賞金稼ぎさ」

「ならここで死んどけ!」

 そう叫んで男は銃を発砲する。全く持ってひどい扱いだ。

 飛来する数発の銃弾は俺の顔の目の前で消えてなくなった。

「……は?」

 男がそんな気の抜けた声を出すと同時に男の方へ駆け出し、銃を奪って投げ捨て、空気を動かして強制的に強い風を作り、体制を崩した男をうつ伏せにする。

「は?何が……?」

 男が混乱しているうちに空気中から鉄を作り、手足を縛る。

「やれやれ、俺も結構、能力者界では有名な方だと思ってたんだがな?」

「どういう…ことだ……?」

 俺は大きなため息の後、

「雪成流」

 その名を聞いたとたん、男の顔は急に青ざめた。

「雪成って、あの……原子使い……?」

「ああ、ただ力の向きを変えれるだけの弱小能力者と遊んでる程暇じゃないんだわ」

 だから、と言って手を合わせて、

「早いとこ自首してくれない?」

 そう頼み込むのだった。


「ふぃぃ……」

 一息入れる。

 外で待っていた警察官が男を運び出している様子をボーッと眺めていると、

「あ、あの……」

「ん?」

 どこからか可愛らしい女の子の声が聞こえる。そちらに振り向くと女の子とその後ろに女性が立っていた。この子は確かさっきの……

「どした?」

「あ!その、ありがとうございました!」

 別にお礼を求めた気はないんだが、まあ、

「どういたしまして……」

 感謝は素直に受け取っておく。

「私からも、ありがとうございました。いつか必ずお礼をさせてください」

「いえ、別に。結局お金目的ですので」

 そこで犯人の詰め込み作業が終わったのか先程の責任者っぽいひとが話しかけてきた。

「今回はありがとうございました。あまりなってほしくはありませんが、またお力を貸してください」

 さっきと態度がまるで違う。猫をかぶってるな?

「いえ、そろそろ金欠になりそうだったので遠慮なく呼んでください」

「そうですか。それでは、失礼します」

 警察官は軽く頭を下げ、パトカーに乗り、走り去ってしまった。それを見送り、さあ帰ろうかと思った矢先に、

「あの!」

 先程の女性が声をかけてきた。

「もしよろしければ、ご馳走しますが……?」

 恐らくお礼としてご馳走すると言いたいのだろうが、

「……妹が待ってるので」

 そう言ってこの場を後にする。

 『妹』あながち間違いではないだろう。

間を開けすぎるとストーリーを忘れてしまいそうになりますね。

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