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能力者のいる普通の日常  作者: 片隅 銀
33/37

用件の続き

「それにしても意外だったな、雪成君が料理できるなんて」


隣で米をといでいた長里にそんなことを言われる。


「趣味感覚で始めたら思いの外楽しくてな」


ちなみに今作っているのは肉じゃがだ。有り合わせで作るにはもってこいである。


「そろそろできそうなんだがいいかな?」


「いいよ、これは晩ご飯用の米だから」


「そうか」



というわけで完成。あっけないものである。


「おお、おいしい」


一口食べた長里が一言。


「ナガレンが作ったんだもん。おいしくないことがないよ」


軽く頬張りながら雫が二言。


「俺は作れないものを作ってないだけだ」


そして最後に俺が一言。いつもの昼休みとそう変わらない風景である。


「そういえばナガレン、さっき出てったとき何してたの?」


「ああ、瀬西さんに呼ばれてな」


「瀬西さんに?」


「ああ」


そうして俺は学校で瀬西さんと話したことを彼女達に話し出した。




「……スマホ?」


瀬西さんにスマホのような端末機を渡された。


「スマートフォン、とは少し違う。それはあくまで連絡手段でしかない」


「どういうことだ?」


「賞金稼ぎに興味はないか?」


「賞金稼ぎ?逃走中の犯罪者を捕まえて警察につきだして金をもらうあれか?」


「ああそうだ。それを君に頼みたい。

といっても犯人探しをひとりでする必要はない。警察官の手助けをお願いしたい。こちらも人員不足でね、君が手伝ってくれると部下の負担削減につながる。ああ、君の私生活は最優先にさせる、どうしても必要なときのみ君を呼ばせてほしい」


「要は警察のバイトみたいなもんか?」


「そう思ってくれればいい」


「そしてこれは呼び出しようの携帯みたいなもんか」


「そういう解釈でかまわない」


「わかったよ。ちょうどいい金稼ぎがないか探してたとこだからな」


「ありがたい。仕事内容についての詳細はその端末に書いてあるからそれを読んでくれ」




「……という経緯で面倒なことを請け負ったわけだ」


「それはまた面倒な……」


一通り話し終え、俺は長里の労いじみた台詞を聞きながらじゃがいもを口に運ぶ。


「まあでも、雪成君だからこそ任せたんじゃないかな?」


「俺が階級五第二位ってだけでか?」


「うん、まあ……」


「まあ、引き受けたからには真面目にやるけどな」


どうして俺がこんなことに。俺はもう少し普通な生活を送りたいのだが……

まあ……無理な話か……

ようやく体調が良くなってきました。

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