大失態
なんということだ!
俺ともあろうものがこんな失態を……
そう……今日は……
土曜日じゃねぇか!
道理で、道理で誰も来ないわけだ。
最近ゴタゴタが多いせいで曜日感覚が崩壊している。
雫も長里もいるってことは二人も間違えたのか?
まぁ、ある意味失態、ある意味好都合だ。
雫の能力についてやっとじっくり話ができる。
「雫、あんたの能力ってどんなのか自分で説明できるか?」
「えぇっと、うまく言えないんだけど……空間を固めた?みたいな感じ」
「空間固定能力?」
長里が確かめるように言葉をこぼす。
「なら、方向使いの銃弾を完全に止めたのは……」
長里が恐る恐る問うと、
「周りの空間を停止させたから」
雫がキッパリと断言する。
これはたまげた。
これは障壁型どころか防御型とも少し違う。
この能力は……
「阻害型能力、ゲームで言うデバファー、か」
「止めた空間を移動させることは?」
「できるかできないかも分からない。
今のところはできない」
なるほど、まだまだ練習の余地があるな。
そこで俺はふと出た質問を投げ掛ける。
「雫、その固定した空間の上を歩いたりってできるのか?
例えば、階段状にして空中を登ったりとか」
「まだ分からない、ここで確かめた方がいいかも」
早速実験をしてみる。
やり方は至って単純、
雫が階段状に空間を固定し、その上を俺が歩いてみる。
それだけだ。
とは言っても、階段状はまだ複雑なため、坂のような形だが……
雫が両手を前に出し、目をつむる。
どことなく、神秘的なものを感じる。
「できた。歩いてみて」
言われたとおりに歩を進める。
渡れる
しっかりと足から『立っている』という感覚が伝わる。
「……っ!」
すると突然雫がよろめき、
「おっと」
足場が消え、雫は近くの机に手をつく。
「まだ身体が慣れてないんだと思う」
長里には…いや、長里にもそう見えたらしい。
雫は呼吸を整えようと深呼吸を続ける。
「練習は明日からだ。今日は休んだ方がいい」
長里の言うとおり、まだ身体が能力に馴染んでないらしい。
少しずつ慣らしていくのがいい。
隕石が落ちると言えども、あと一週間半はある。
そして今日は解散。
『明日も午前中から集まる』ということで話はまとまった。




