一件落着
しばらく防戦一方、隙有らば攻撃しているのだが、
いまだあの男はかすり傷一つ負っていない。
20~30分位経って、男が一度攻撃の手を止める。
「なんだ?守ってばっかかよ?さっきの威勢の良さはどうした?」
男が余裕混じりに聞いてくる。
唐突だが、俺も結構アニメや小説は見る方だ。
アクションものは特に好きだからよく知っているのだが、
主人公は本当にヤバいときに覚醒したり本気を出したりする。
だが、俺は結構短気な性格をしているため、もうこれ以上時間はかけたくない。
俺は力を抜き、少し背を伸ばす。
そして右手を前に突き出し、手のひらを前に向ける。
-詠唱はいらん ただ我の心に応えよ-
その瞬間、
俺の目の前の空間が歪み、
その歪みはやがて一つの光となり、
その光は少しずつ形を変え、
そして一つの剣となる
「なんだ?本領発揮!てか?そんな細っこい剣で何が出来る!?」
男は何も考えずただ土の塊を投げつける。
-空斬れば 世を断つ-
俺は剣を振り上げる。
その瞬間、
飛んでくる土の塊
その場に残る地面
平常な周りの空気
全てが斬られた
校庭の土は在るべき地面へ落ち、分かれた空気は一瞬で元に戻る。
自然の力ってすごいね。
男の顔は絶望で染まり、恐怖で身体が固まっていた。
俺は剣を握りなおして、男の下へ歩く。
「く、来るな!」
男は慌てて能力を行使する。
(ミエル)
俺は剣を振り下ろし、「何か」を斬った。
男は恐怖のあまり尻餅をつき、後ずさろうとしていた。
俺は気にせず男に近付き、男に剣を突きつけて、こう告げた。
「警察にお世話になるか、二度とこんな事はしないと誓うかどちらか……いや、
“どちらも”か……」
ちょうど警察が到着したから、俺は男の身柄を引き渡し、
今回の一件の全てを話して、マスコミ側には嘘の情報を伝えてほしい。
とだけ言い残して、雫と長里のいるであろう保健室に向かう。
餅は餅屋、後は野となれ山となれ、だ。




