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能力者のいる普通の日常  作者: 片隅 銀
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久しき戦闘

「やっとお出ましか、原子使い」


男がそんなことを言っているのを無視して


「やーお二人さん、ご苦労様、少し休んでな」


二人は軽く驚いたような……というか驚いた顔をして、我に返った長里が、


「……うん」


とだけ言ったことを確認し、後ろに向きを変え、

大人しく待っていてくれた男と対峙する。


「遺言は十分か?」


「死亡フラグにならなきゃいいね、方向使い」


それだけ交わして、

男は銃を構え、俺は剣を展開する。


(M1911A1か、俺でも知ってる有名な銃か)


それだけ考えた後、俺は約百本の剣を射出した。



いやあ、方向操作って便利だねえ、




全部外れてるよ。



男は笑みを作り、照準を俺に合わせる。

そして男がトリガーを引こうとしたとき、

男はやっと異変に気付いた。


「なんだ?!トリガーが引けない?」


(素人が使うからこうなるんだよ)


実は先程の剣の連射の際、男が剣に集中している間に

男が持っていた銃のセーフティーをかけていた。


(どうやったのか、だって?

 原子操作って便利なんだ。とだけ言っておこう)


男は子供が使い方が分からないおもちゃをいじるように

手持ちの銃をいじっていた。


(階級五第三位も所詮この程度か)


俺はまた剣を展開し射出する。


「ちっ……!」


男は俺の剣を全て外させる。

俺は休む暇も与えず剣を射出し続ける。




数千本程打ち込んだだろうか、

男の周りは地面に刺さった剣でいっぱいだった。

男の顔は疲れに染まっていた。


(そろそろ頃合いかな?)


俺は攻撃の手を止めて、両手を広げる。



その瞬間、



地面に突き刺さっていた剣の形が歪み、

空中で巨大な球体にまとまった。



「な……なんだ、あれは……?」


男が球体に目を向ける。

俺はそれに答えるようにこう告げた。



 水銀って知ってる?



男の顔が恐怖に染まる。


そして巨大水銀は分散し、小さな粒になっていく。

それらは男の周りを囲うように散らばり、


その粒から男に向かって針が飛び出していく。


「くっ……!」


男は自分の能力でかわそうとしたのだろうが、


「んな……!」


水銀の針はそれぞれ急に向きを変え、相手を惑わすように飛んでいる。


(まあ、実際惑わす気なんだが)


この攻撃は、

水銀でできた針が、横360度、縦90度の空間を飛び回り、

どの針が、どのタイミングで、どんな速さで来るのかが

まったく分からないという、なかなかに恐ろしい技である。


方向操作を使われたら終わりと考える人もいるだろうが、


上に行ったり下に行ったり、

右回りだったり左回りだったり、

右回りだったものが急に左回りになったりするものもある小さな針が

高速で動いている状態で、

少しの針でも捉えられるのなら捉えてみろ。



別に射出する必要はない。

放っておけば太陽光や空気との摩擦熱で蒸発して、

猛毒である気体の水銀をあの中に留まらせれば毒殺できる。


「しばらく放置か……」


そう考えると憂鬱になる。

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