第2話 魔法の基礎
こんにちは、マミヤ ケントです。ヘル・ヴァルンじゃないですからね!絶対魔王とか嫌ですよ!!
それよりも!!本って良いですよねー。読んでいるとつい夢中になってしまって現実を忘れてしまいます。
「一日の時間がもう少し長ければ良いのになー」なんて思ってしまうこともあります。
そして、どうやらこちらの世界では一日の時間が少し長く感じます。
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俺はリナさんと資料室の前で別れてから本を探して始め、ミィーアはここまでちゃんと一緒に付いて来てくれたけど、本には興味がないみたいで資料室にある少し高そうな椅子の上で何かを考える様に座っていた。
そして今は、二つの項目について調べようと思っている。
何について調べるかは、最初に決めておかないといろいろ困りそうだからもう決めてある。
一つ目は、「この世界についての本」が欲しい。
誰かに聞けば良いのだろうけど、ここは物凄く広いから迷子になったら大変だ!
ここが魔王の城だから歩きまわるのが怖いなんて、全然思ってないんだからな!
二つ目に異世界って言ったら「魔法」だろ!!やっぱり、魔法というファンタジー世界でのロマンを求めたくなる。それに俺が本を探す事が出来るのはさっき、大魔王ヘル・ウルバとかいう名前の人の貰った「指輪の魔法道具」のお陰だと思う。
早速だけど、ここの資料室を一通り見た感じだと、調べようと思っていた項目の中で最初の「この世界についての本」は良いのがあまりなかった。
次の「魔法についての本」は良いのが結構あった。その中でも「魔法の基礎」「魔法の書 初級」というのがあったのでとりあいずこの二冊を読む事にした。
ミィーアの座っていた椅子の隣に近くにあった椅子を置き俺も座り、「魔法の基礎」を読み始める。
「魔法の基礎」の本にはこう書いてあった。
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魔法を使うにはまず、自分の扱う事の出来るマナを知らなくてはいけない。
まず、「マナ」とは何か、「魔法」とは何なのかを説明しようと思う。
「マナ」とは魔法を使うために必要となる、さまざまな物質へと干渉出来る素材、魔法を使う者の思考を具現化させる事の出来るものである。また、一般に魔力と呼ばれる。
例えば、風を吹かせる魔法を使うとすると魔法の使用者が風を想像し、マナを使用するとマナが空気へと干渉し、風を吹かせる魔法が発動するというのが「魔法」の一連の流れである。
ただし、魔法には一部、例外の流れなども存在する。
例外の一つには「魔法陣」など、あらかじめ、想像する工程が書かれた物にマナを使用するだけで発動するものがある。
魔法としては、魔法陣が一般に使用されているがここでは魔法陣を使用しない魔法の話をしていく。
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なるほど、なかなか奥が深い!けど、この本を書いた人は魔法陣が好きじゃないのかな?魔法陣の方が一般的なら魔法陣の話をしてもいいのでは?それに魔法陣を例外扱いだし、俺的には、魔法陣もカッコイイから捨てがたい!
「にゃーーーぁぁぁぁぁ!?」
「え?どうしたのミィーア?」
「にゃーん」
「ん?寂しいのか?」
全くーしょうがないなー、撫でてあげるか、それにしても、ミィーアは白くてもふもふで可愛いなー!
あ、続きを読まなきゃ!
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最初に書いた通り、魔法を発動するにあたって自身の扱う事の出来るマナを知らなくてはいけない。
使用したマナが自身の扱う事が出来る許容範囲を超えて枯渇してしまうと貧血の様な症状が起き、最悪その場で意識を落としてしまう。
魔物などとの戦闘中にマナの枯渇を起こして、死亡してしまう魔法使いも少なくない。
自身のマナの数値を知るにはステータス鑑定の魔法道具を使うと良い、ステータスのMPとなるところがマナを扱うことが出来る許容範囲の数値だ。だが、稀に鑑定の固有スキルを持つものがいる、固有スキルで鑑定を持つ者は自身で己のステータスを確認出来る。
固有スキルを発動するには念じるか、発動したいスキルを詠唱する必要がある。ステータス鑑定の場合は「ステータスオープン」と唱える事で発動する。
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んー、マナの枯渇には注意しなきゃか、それにやっぱり、魔物も居るのか、後で魔法の練習してみよう!!
鑑定の固有スキル...あれ?俺も使える?さっき、魔法道具で鑑定した時にあった気がする。
一様、もう一度確認してもいいよね、今度はバグってないよね...
「ステータスオープン!」
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名前:マミヤ ケント
種族:人
職業:なし
レベル:1
HP:100/100
SP:100/100
体力:10
筋力:5
物理防御:5
魔力:10
魔法防御:5
俊敏:5
スキル:なし
固有スキル:総合鑑定
称号:不屈の魂
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え?いろいろと違くない?HPとSPが他の弱すぎるステータスと釣り合ってないよね...だから、さっき魔法道具で鑑定した時にバグったのかな?でも、結果が違い過ぎてる気がする。
深く考えても仕方ないから、良いか、魔法は使う事が出来そうだし。
あ、そうだ!ミィーアのステータスも確認出来るかな?
「ミィーアのステータスオープン!」
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名前:ミィーア
種族:猫(神獣)
職業:使い魔
レベル:1
HP:60/60
SP:30/30
体力:30
筋力:50
物理防御:20
魔力:10
魔法防御:10
俊敏:50
スキル:
固有スキル:神獣化、言語理解
称号:なし
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「え?ミィーア俺より強いんじゃない...?」
「みぁーん?」
今更だけど、言語を理解出来てたんだ。
毎回、ちゃんと返事が返ってくる理由は理解したけど...。
ミィーア絶対に俺より強い...。しかも、神獣って...。
俺、泣いていい?