4.ここが面接会場
彼女につられて走りだした俺が着いた先はなんと面接会場だった。
運がいいのか、彼女のおかげなのか、無事に面接会場に着く事ができた。
”面接会場”と書いてあったので間違い無い。はずだ。
公園近くの住宅街を少し抜けたところにある面接会場は、4階建てのビルのようだった。
『2F 面接会場』と書かれた看板を見ると急に怖くなる。「ニートはダメです」とか今更言われないだろうか。それに俺は今スーツでは無く。私服なのだ。女子高生の彼女は制服でいいとしても、さすがに大人はスーツを着てないと。
……女子高生?
女子高生がなんで面接に来てんだ?
「さあ。行きますよ!」
「あの、なんで高校生が?」
「協力してくれって言われたんですよ。父さんに」
父さんって誰だよ。まあ、俺には関係無いことだろうけど。
「グズグズしてないで、ほら」
彼女に背中を押されて、二階へ上がる。
「おめでとう~!」
ドアを開けるとスーツを着た女の人と、例の旦那さんがクラッカーを持って待っていた。
「いや~。無事についたね荒木君」
「あ、どうも」
軽く頭を下げる。
「採用ですよ。荒木さん」
女の人が教えてくれる。
「いや、まだ面接してないんですけど」
「今のが面接みたいなものですから」
冴えないをしていると旦那さん……上司?から「まあ中に入りなさい」
と言われた。