2.ニートはだめですとか
未解凍だったT-シャツとジーパンを着て、紙をリュックに入れる。ついでに筆箱も。
「かしわぎー。かしわぎ駅です。お降りの際は……」
面接は電車で二駅過ぎたところ、駅から10分歩いた所が会場らしい。
らしいと言うのは、その紙には時間も場所も書いてないからで。知り合いの旦那さん(公務員さん)に聞くと「時間はいつでもいいよ。ただ、明日だけだからね」と言われた。
場所のことは紙にちゃんと書いてあったらしく、もう一度見ると下の方に
※面接会場はかしわぎ駅から徒歩十分のところにあります。
と小さく書かれていた。小さく書かれていた。
はい?
Q.徒歩十分と言うのは、秒速1メートルの俺が歩いてもつくものなのでしょうか?
A.わかりません。
Q.分かりにくすぎやしませんか?
A.どうなんだろう。
Q.どこに行けばいいのでしょう?
A.面接会場。
試験会場にたどり着くには、体力がある人。根気がある人。もしくは土地勘がある人。または、運が強い人に限られる。
無理でした。
俺はニートである。そもそも働く気がないニートである。そんな面倒事はやらないニートである。運があればニートなどやっていない、”ニート”なのである。