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僕は風呂で鼻血を噴水のように噴射して、そのまま倒れたのだった。
妹が倒れた俺を介抱してくれていたらしい。
まったく、優しい妹だ。
本当に良くできた妹だ。やっぱり僕の嫁に欲しいな。
そんな事を考えながら僕は朝の忙しい時間を過ごしたのだった。
「おはよう~」
僕が教室に入ると教室の中がかなりうるさくなっていた。
また、要が何かをしたのかな?
「おい、どうした?何かあったのか?」
僕は悪友の要に話を聞いた。すると、要は呆れたような目で僕を見ていた。
あれ?何か僕がやったかな?
「まったく、シスコン野郎は相変わらずふざけた頭をしてやがるな。お前に問おう。高校生の本分は何だ!」
「勉強だろ。そっか、期末試験近かったから、みんなで勉強会でもしてるのか!それなら僕も混ぜてくれよ。丁度数学で分かりづらい所があったんだ」
僕がそう言うと、要はその場に倒れこんで体からは暗いオーラのような物が出ていた。
「なんでお前はそんなに優等生みたいな事を言うんだよ!いいか、高校生の本分は青春を謳歌する事だろ」
「まぁ、確かに一理あるな。でも、それがどうかしたのか?」
「まったく、忘れたのかよ。テスト明けは春のレクレーションパーティーだろ」
「そっか、そんな時期だったな」
僕は要に言われてから思い出した。
ウチの学校はかなりお祭り事が多いので春夏秋冬に何かしらの行事がある。確か殆どの行事は学園長が発案したとか言われてたな。
そうか、みんなはそれでこんなに盛り上がっているのか!
「2年B組の春のレクレーションパーティーの出し物について話し合いたいと思います。分かってると思うけど、あまり時間はないし、テストも近いので今日は出し物が決まるまでは帰さないわよ」
午後のホームルームの授業。委員長が司会を務めた会議が始まった黒髪で眼鏡をかけているTHE委員長のような見た目と性格と中身なのが我がクラスの委員長だ。
はぁ、委員長は有言実行がモットーの人だからおそらくは言った事を実行するんだろうな。
はぁ、面倒くさい。
「出し物はコスプレカフェにするべきです」
眼鏡をくいくいとさせてから座った、いかにもオタクのような中肉中背の男がいた。確か朝霧くんだったかな?
「何をふざけているの!そんなものをウチのクラスの出し物にできる訳がないでしょ」
当たり前のごとく委員長はそのアイデアを却下にしようとしてくれた。まぁ、僕自信はバイトでコスプレをしているのであまり日常生活でコスプレはしたくないな。
まぁ、却下されるだろうと思った。
「委員長、コスプレカフェは素晴らしいんだよ。考えてみるんだ。黛が女装して、いつものように要とふざけていても面白いイメージができるだろ」
朝霧はそのあと、淡々と話始めた。
誰もいない夕暮れの教室に黛と徹の二人が片付けに残っていた。
二人は片付けをしていたと。
「徹、そんなに大量にもつと転けるぞ」
「大丈夫、大丈夫。 おっと………」
黛が何個もの荷物が入った段ボールを持っていたためにバランスを崩して倒れそうになる。要も必死にそれをとめようとするが、間に合わずに要が黛を押さえ込むような状態になる。
黛はいつもの制服ではなく、メイド服を着ていて、いつもよりも女の子に見える状態。周りには誰もいない。黛はかなり可愛いくて、おそらく女の子と言われても何の違和感もないほどの美少女。
「可愛いぞ、徹」
「要、ちょっと、近くないか」
「うるさい、もう俺は我慢ができないんだよ」
「やめてよ要。僕達男同士だよ」
「関係ねえよ。俺はお前の事が好きだ」
「と………おる。そんな事言われたら僕………………。優しくしてね」
「あぁ、大好きだよ徹」
「「ちょっと、待てーーーーー!!」」
僕と要は二人で叫んでいた。当たり前だ。勝手に人を妄想の材料にされては困る!
「まったく、空気を読めよ。ほら、見てみろ。殆どの女子が満足そうな顔をしてるぞ」
「どうなってんだよこのクラスは女子は全員腐ってのか!」
要は耐えきれずに激怒していた。
ふと、委員長を見ると委員長も満足そうな顔をしていた。
あれ?委員長もそっち系の人だったの!
「まったく、じゃあ要はウチのクラスの美少女達によるコスプレを見たくないのか?イメージしろ。女子の可愛いコスプレ姿を!」
朝霧がそう言うと男子の殆ど(僕以外)は本当にイメージしているようだ。
「朝霧、素晴らしい出し物だな」
要が僕を裏切った。
「ちょっと、待ってよみんなこれでいいの?本当にコスプレカフェにするつもり?」
僕がそう言うと殆どの生徒が縦に首をふった。
どうやら、ウチのクラスの出し物はコスプレカフェになりそうだ。
はぁ~、大丈夫かな、ウチのクラス。
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