15
「何が起こっているんだ!」
俺は大声で叫んでいた。剣道部のエースからの連絡は途絶えている。同じように生徒会を見張らせていた連中からの連絡も無い。
俺は一体何が起きているのか分からなかった。
そんなときに一人のガキが俺に向かって何かほざいてきやがった。
「お兄ちゃんだ。お兄ちゃん達が助けに来てくれているんだ!」
「ふざけるな!アイツらには相当の手練れと大人数でかかっている!俺達がこの時間を狙ったのもアイツらがいないのを確認したからだ。アイツらには厳重な警戒をしている!それが破られる訳がない!」
俺は必死にそう叫んでいた、破られる訳がないはずなのだ、
しかし、もしもアイツらなら………、
俺のそんな不安を煽るようにガキはギャーギャー言っている。くそ、腹が立つ。黙らせるか。
「おい、多村!お前に手段は任せるから、このガキを黙らせろ!」
「了解!」
そう言って多村はあのガキを押し倒した。どうやら、この場でヤるつもりだな。
その時だった。多村が吹き飛ばされていた。
まるで何か大砲の弾丸でも当たったかのようだった。
「咲の処女は僕のものだ!」
そこにはアイツが立っていた。
ボロボロになった良くわからないコスプレを着てだ。
はぁ、はぁ。疲れた。さすがに何十人くらいかの敵を吹き飛ばしながら進むのはかなり大変だった。
まぁ、あんな雑魚ども相手で本当に良かった。
「咲!助けに来たよ!」
僕が大きい声で咲に言うと咲はきょとんとした顔をしていた。
「お兄ちゃん?処女って何?」
妹は汚れの無い笑顔で僕にそう言った。
しまった!妹の前で何てことを言っていたんだ!
くそ!何とかごまかさないと!
そんな風に焦っていると何だか良くわからない奴らが「死ね!黛!」などと言って僕に攻撃をしてきた。まったく、日本が法治国家じゃなかったらこいつらを殺してしまいそうだ。妹を襲おうとするなんて!
僕がどれだけ自分との葛藤によって気持ちを抑えているのに。こいつらは易々と襲おうとするなんて!許せるか!咲の貞操は僕の物だ!
「さてと、お前ら、覚悟は出来ているんだろうな!妹に手を出そうとした奴らには罰を与えてやるよ!死よりも恐ろしい罰をな!」
僕が恐ろしいのか、大体の人が体を震えさていた。
そして、僕は彼らに罰を与えた。もちろん、殺さないほどにね!
次回で一通り終わらせる気です。続きは考えているところです。