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感想や誤字。あとサブタイトルのアイデアなどありましたらお願いします。
「いらしゃいませ」
僕はいつものバイトのように接客をしていた。
まぁ、いつもと違いがあるとすれば女装していない事だろう。それでも接客は楽しい。やっぱり僕はこういうのが好きなのかかな?
おっとお客様だ。
「いらしゃいませ」
僕は笑顔でお客様を迎え入れた。まぁ、顔は見えないのだけれども。
「はぁ~。残念だな、徹×要が今日は見えると思ったのにな」
「本当だよ!私も期待していたのに残念だな~」
「本当ですわ!私も楽しみでしたのに!」
こんな女子の会話が聞こえているけど無視しておこう。
誰がそんなBL展開にするか!してたまるか!
「委員長、そろそろ交代の時間だよね」
「そうね、結構長い時間やってくれていたし、黛君って接客が上手いわね。何か経験でもあるの?まぁ、おかげで結構助かったけど。良かったわ黛君がいるときにちょうど忙しく時間で。そうだ、要くんもそろそろ休憩だから二人で他の所も行ってきたら?」
委員長がそう言うと周りで女子が「ナイスアシスト!流石委員長!」と言っていたのは空耳と思って放っておこう。
まぁ、一緒に行く友達もいなかった所だし、一人で行くのも寂しいからいいかな。
僕はちょうど休憩になった要と一緒に色んな店に行くことにした。
皆さん、こんにちは。黛 咲です。
私は今、お兄ちゃんの学校に来ています。
お兄ちゃんの学校はかなり行事が多くて楽しいとお兄ちゃんは言っていたけど、本当に楽しそうです。
すれ違う人たちもみんな楽しそうに笑っています。
あれ?なんだか浮かない顔をしている人もいます。楽しく無いのでしょうか?
まぁ、私はお兄ちゃんの教室に向かって私はお兄ちゃんが忘れていった衣装を持って行ってます。
お兄ちゃんの教室にはお兄ちゃんの参観日の時に行った事があるので場所は分かっています。
確か、ここの教室の三階のはずです。
私がお兄ちゃんの教室に入ると体操服を着た人が出迎えてくれました。
「いらっしゃいませ。えっ………。まったく、小学生は最高だぜ!」
そう言って私を出迎えてくれた人はその場に大量の鼻血を出して倒れました。大丈夫なのでしょうか?
「朝霧が倒れたぞ!誰か朝霧を保健室に運んでやってくれ!」
私の目の前で倒れた人はお兄ちゃんのクラスメイトの二人に運ばれていきました。大丈夫なのか凄く心配です。
「三番テーブルのお客様の所に仲山さんが行って、五番テーブルには横山さんが行ってください」
私は今は忙しくててんてこ舞いです。
はぁ、まさか要くんと黛君がいなくなるとすぐに忙しくなるなんて。こんな時こそ仕事の出来る二人にはいて欲しかったな。でも、休憩してこいと言っただけに戻ってきて手伝ってとは言えない。
そうだ。皆さんに挨拶を忘れていました。私の名前は奥村 千津子。みなさんには委員長って言ったほうが分かりやすいのかな?
今はうちのクラスの出し物は盛況で本当に大変です。
そんな時でした。一人の女の子がうちの教室に入ってきた。
小学生くらいの女の子で、顔もお人形さんのように可愛いくて、天使のように見えた。その子が可愛い過ぎて朝霧は誰かの妹だろうか?
本当に可愛い子だった。
「みなさん、こんにちは。私の名前は黛 咲と言います。兄がいつもお世話になっています」
あの可愛い子は黛君の妹だったの!なるほど、これなら黛君がシスコンなのもうなずける。
本当に可愛い子だな。何人かうちのクラスの男子は見とれていた。
「咲ちゃん、どうしてこんな所に来たの?一応、今日は一般の人は入っちゃダメなんだけどな」
「ごめんなさい、兄さんがこれを忘れていったので持って来ました」
「そっか、じゃあお姉さんが預かっておくね」
咲ちゃんは何か服を持っていた。
これは黛君の本来着るはずだった魔法少女の服か!
まぁ、確かにこれは着たくは無いでしょうね。でも、良くできた妹さんね。兄のためにここまで服を持ってくるなんて。
そんな方に感心していると大きな音が扉の方から聞こえてきた。誰かが扉を蹴ってあけたようだ。
「お前ら!ここからは俺達がここを占拠する!」
2、30人もの生徒が入ってきていた。その人達はバットなどを片手に持っていたりなどしていた。
「あなた達、何のつもりですか!こんな事をして許されると思うんですか!」
「俺達が生徒会に提出して却下されたコスプレカフェをお前らが許されいるなんて、生徒会の横暴だ!俺達はここでそれを訴えてやる!」
リーダー格の男はそう言っていた。
「おぉ~。コレなんか咲に似合うかな?」
僕は今、二年三組の出し物の雑貨店に来ています。
ここにはかなりオシャレな手作りの小物がたくさんあって女の子がたくさん来ています。
僕もせっかくなので何か妹にお土産を買おうと思ってこの店に来ました。まぁ、宣伝のためにコスプレはしたまんまなのだが。
「すみません、コレを2つください」
「ハイハイ~、かしこまりました。あれ?どうしたの?その格好は黛君だよね。何で黛君が女の子向けの髪飾りを二つも買うのかな?確か仲の良い妹さんがいるとは聞いていたけど、もうひとつは誰にあげるの?あっ!もしかして黛君、彼女できたの!」
店のレジの女の子の突然の質問に僕はかなり戸惑った。流石に僕が女装したときに着けますとは言えないからな…………。
「いや、あの、その…………母親の分だよ!母さんにも1つ買ってうげようと思ってね」
これは苦し紛れの言い訳だったな。おそらく彼女は知らないだろうけどうちの母親は交通事故で無くなっている。
まぁ、あまり知られていないから彼女も気がつかないかな。
僕は急いでお会計を済ませて店を出ると僕を待っていた要と合流して別のクラスの出し物に向かおうとしたときに、近くの窓ガラスが何かによって割られてた。ガラスの割れた音の方を見ると一人の竹刀を持った男がいた。
「貴様らが黛と要だな。貴様らにはここで少しの間動けなくなってもろおう」
「お前は何者だよ!何でこんなお祭りの時にふざけた真似をしてるんだよ!俺と徹に何の用だ!」
「貴様らに名乗る必要は無い。俺達の目的は」『電話だよお兄ちゃん!電話だよお兄たま!れんわらょほにぃひゃん!』
窓ガラスを叩き割った男が格好つけて何かを言おうとしたのを遮って僕の携帯の着信音が鳴った。
「もしもし、ちょっと今取り込んでいるんですが」
「徹か!俺だ朝霧だ。今、教室が大変な事になってやがる。教室が三年三組の連中に占拠されてる。すぐに来てくれ!」
「お前、よくそんな所で電話をかけてこれるな、普通は犯人達にばれないように暗号とかで伝えると思うんだが」
「バカ野郎!俺は今、お前の妹を見て鼻血大量噴射して保健室に運ばれていたんだよ!それくらい分かれ!今は教室に仕掛けていた高性能監視カメラで教室の様子を確認してたんだよ!ちなみにこのカメラは録画だけでなく、音声もしっかりと保存出来るのだ!」
「今はそんな説明はいい!あれ?お前変な事を言わなかったか。妹がここいるわけないだろ!」
「いるんだよ!お前が家に置いてきたコスを持ってきてくれたんだよ!」
なんだと…………。
「分かった。それならすぐに教室に向かう目の前の敵はすぐに片付けれるからな」
僕はそう言って電話を切り、目の前にいた竹刀を持った男を蹴りで吹き飛ばした。男は気絶していた。ふむ、手加減はしたつもりなのだが。まぁ、内臓破裂はしてないだろう。
「急ぐぞ!要、妹のために」
僕は走り出した。