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不自然な二人  作者: 日浦怜
9/17

なかなか話がまとまらずグダグダの回が続いております。久しぶりの投稿で申し訳ないですが、明日もう一話投稿します!

さて、遊園地に着いてパンフレットを片手に色々見て回っている。


「とりあえず、あれから乗ろうよ!」


伊音が指差した方を見て、怜央の顔から血の気が引く。その先には、今までに見た事の無いジェットコースターがあった。


「一応、日本最長らいしよ。普通のジェットコースターの倍の長さはあるっぽい」

「すげー」

「まぁまぁ面白かったよ」


伊音の一言で、怜央はより恐怖を覚える。スピード狂の伊音が面白かったと言うのだから、一般人からしたらかなりの恐怖である。


近付けば近付く程、恐怖でいっぱいになる怜央。足が重くなって進みが悪くなってきている。


「どうした?」

「何も…」

「顔色悪くないか?」

「大丈夫…」


佳暁が心配になって声をかけてくれるが、返事を返すのに一杯一杯になっている。


待ち時間もほぼ無く、怜央達の番になってしまいジェットコースターに乗り込む。その後の記憶は曖昧で気付いたら戻って来ていた。


「楽しかった!」

「確かに長かったわ」

「でも、超満足!!」

「でしょ?次はあれ乗ろう!」

「いいねぇ~」


ジェットコースターに大満足だったメンバーは、乗る前よりテンションが上がっているが、怜央は反対にだだ下がりである。


フワフワした感覚が抜けなくて上手く歩けないでいると、佳暁に腕を掴まれる。


「大丈夫か?」

「え?」

「前から絶叫系そんな得意じゃないだろ?」

「何で…」


怜央は、絶叫系は乗れるが好きではない。ただ、誰にも言った事がないので気付いている人は殆どいない。その証拠に伊音も皐月も知らないのだ。


「休むか?」

「大丈夫。さっきのは長かったからだし、次はいいと思うよ」

「ならいいけど…」


遊園地の目玉のジェットコースターを乗り切ったのだから、もうそれ以上のものは無いはず。怜央は、そう考えていた。


何度でも言いますが、人生はそんなに甘くはありません。


「伊音、ここ最高だね!」

「半分くらいは伊音の趣味の乗り物じぇねぇ?」

「わかる?私の夢の遊園地なの!」


ジェットコースターの種類も距離・回転数・スピードが日本一と並ぶモノが揃っている。絶叫系の嫌いな人にとって地獄の遊園地である。


何個目かわからない乗り物が終わり、限界値を突破した怜央は前を向くのがしんどくなって下を向いて歩く。


「そろそろ、お昼にしない?」

「そうだな。結構時間経ってるしいいんじゃねぇ?」

「じゃあ…」

「俺、もう一個乗ってからがいい。ほら行くぞ」


怜央は、急に腕を掴まれて引きづられる様に歩かされる。


「先に食いたきゃ食ってろよ!」

「は?」

「ちょっ、佳暁?!」


佳暁は、無視してずんずん進んで行く。怜央は、何も考えられず付いて行くしかない。


結構な距離を歩いた所で佳暁が止まり、怜央はベンチに座らされる。


「ちょっと、待ってろ」


ベンチに座りやっと身体を休められると安堵の溜息が出る。こんなに疲れているのに、まだ午前中なのが信じられない。


これから、めんどくさい事が残ってるのにこんなんで大丈夫なのか…。怜央は、午後の事を思うと帰りたくてしかたがない。


「怜央」


名前を呼ばれ顔を上げると佳暁が飲み物を持っていた。差し出され、喉が渇いていた為素直に受け取る。


「本当は水とかのがいいとは思ったんだけど、好きなのの方がいいかなって…」

「何で…」

「アイスならカフェラテだろ?」

「だから何で…」

「何でって、お前が俺の好み知ってるのと一緒だろ」

「え?」


佳暁の好みを知ってる理由なんて…。


「俺らどんだけ一緒のグループにいると思ってんだよ。嫌でもわかるだろ」

「え?」

「だろ?」

「そうだね…」


なっ…何考えてたんだ自分!!


怜央は、ふと浮かんだ理由に顔が赤くなる。そんな訳無いと何度も自分に言い聞かせる。


「飲んだら行くぞ」

「うん…」


怜央は、みんなと早く合流したくて慌てて飲み干す。佳暁と二人っきりから早く脱出したいのだ。佳暁の顔を見る度に思い出し、顔が赤くなるのを避けたい。


この時の怜央は、すっかり忘れていた。一番面倒な事がこの後にやって来る事に…。


次回でトリプルデート終了であります!

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