2013/02/07 Thu
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「今日はっ、皆さんに伝えたい事があります! 顎 鮮人君! あなたは温泉卵と固茹で卵はどちらがお好きですかっ?」
「えっ?! ……えーっと、どちらも大好きで、す?」
「そうです! どちらでもよいはずなのですっ。女子の皆さんはくれぐれもっ、料理にトッピングする茹で卵はっ、温泉卵でなければ嫌だって人と付き合ってはいけませんっ。そして、男子の皆さんはっ、固茹で卵も好きになることっ。いいですね!」
「「「…………」」」
「いいですねっ(怒?!」
「「「は~い」」」
朝のHRの時間、担任の先生……鮮凪 麻子32歳独身……は怒っていた。
今迄、交際していた彼氏と別れたのだろう。その理由も茹で卵の固さについて、という至極どうでもよさそうな理由で。
麻子はこのGW中に彼氏を自宅に招き、料理を振舞ったのだ。それも麻子の得意料理であるカレーを。
その時、何時もなら加えないであろう茹で卵をトッピングした際に一悶着あったそうだ。
麻子は茹で卵を添えなければ良かった……と思うのと同時に、どうせ後になって別れるくらいなら今別れて正解だったと開き直っている。
結果、麻子はこのGW中、ずっと泣いた。独りで泣いたり、友人に愚痴りながら泣いた。麻子は……いや止そう。彼女の名誉の為にも。
「あと、転校生を紹介します。では、入ってきて下さい」
生徒達は思った。そっちの方が本題であろうと。
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