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2013/02/05 Tue
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「ここが三年二組か~。緊張するね」
ニコニコ顔の少女の名前は朱崎 碧子。縣 彰敏の従妹である。実際のところ、碧子は毛ほども緊張した様子はない。
碧子は両親の海外出張の為、彰敏の家へ預けられることになった。
そのため、今迄在席していた女学校から彰敏の通う学校へ転校することになったのである。
碧子は預けられることについて最初、両親に向かって「年頃の男女が同じ屋根の下に住むなんて!」とか言っていたが、別に本気ではない。
一応の建前のようなものである。むしろ満更でもなさそうな感じであった。ちなみに碧子の本音は「よっしゃー!!」であったとかなかったとか。
そんな碧子は事前に彰敏の家へ必要な物を宅配便で送り届け、GWに移り住んだ。
今日、学校へは彰敏の親と一緒に登校したので、彰敏からの説明はなく、碧子は生徒を誰も知らない。
「では、入ってきて下さい」
と、教室の中から先生のだと思われる声が聞こえてきた。碧子は一つ深呼吸して、よしっと気合いを入れた。
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