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2013/02/04 Mon
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「タイヤキはやっぱり頭から食べるのだと思うの!」
「僕は尻尾からかな……?」
「なんでさ?! タイヤキだよタイヤキ! タイヤキを頭から食べずしてどうしてタイヤキを食べたと言えようか!」
「おうおうおう、落ち着いて」
彼……縣 彰敏……と彼女……哀島 愛子……は、告白の日を境に二人手を繋いで帰っている。
口数少ない彰敏の分を補うかのように、彼女はよく話す。家庭のこと授業のこと友達のこと部活のこと……彰敏が相槌を打ちながら愛子は次の言葉を紡ぐ。
帰り道、生徒達はそんなアツアツな関係を見て囃し立てる。
すると愛子は……彰敏の手を勢いよく離し……顔を朱くして両手をブンブンと振り回しながら追いかける。
彰敏は愛子の手をとり、どうどうと言葉少なく宥める。愛子はまた顔を赤らめながら、うんと頷き歩き出す。
それがよくある光景、何時もの風景。
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