2012/12/19 Wed
2012/12/19 Wed
哀染愛。
哀しみに染まる愛。
彼女の周りにはよく不幸なことが訪れるらしい。らしい、というのも僕は噂でしか聞いたことがないからだ。
噂なんてモノは、大抵尾ひれがつくから信じる必要はないと思う……終いには背びれや胸びれまでついてしまい、一体何が本当のことなのかが分からなくなる。
しかし、火のないところになんとやら。その噂にもきっと真実は隠れているはずなのだ。
だから、少しくらいは気に留めておいてもよいかなーと思う。どうせすぐに忘れるのだろうけど。
さて、悶々と一人自問していても、答えなんてものは決して出ないのだから、当初の目的を果たそう。
手紙……例の封筒だ。
『トイレの個室NOW』とかそんな感じなのかな? そんな事を呟いたところで、誰も返答なんてしないのだろうけど。
下ネタの話に分類されてしまうかもしれないけれど。
トイレ、それも個室という空間はとても落ち着ける場所だと思う。
鍵をしてしまえば、外界からの接触を完全に遮断出来てしまえるのだから。
だけどそれは、青春を謳歌している……はずの……少年が考えているなんて、なんか悲しい事だけれど。
ま、いいや。
随分と遠回りをしてしまった感は否めないが、話を戻そう。
どうする。
放課後に女子からの呼び出し、このフレーズだけを聞いたのならば、それは大変魅力的な話でありすぐにでも飛び付きたくなるだろう。
それも薄いピンクの便箋で、可愛らしい字で綴られていた。もし、嬉しいと感じない男子がいたとするならば、そいつは不能か薔薇だな。
僕は不能でもソッチの気はさらさらない。友達に阿部さんなんていない。セクスィーヴォイスを有する男性もいない。
そんな事を考えていると、不意に便意が催される。ブルっと全身の筋肉が緊張する。
アッー!
結局のところ主人公はノンケなのか分かりませんねσ(^_^;)
だから、あえて言います。
ノンケじゃないよ!!
……………………多分。