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2012/03/16 Fri

2012/03/16 Fri


続き。あれ? なんか女子の口調が定まっていない……? かー、こんなところで失敗するとは。ちゃんと考えておけばよかたばいorz





「それで、あなたは、おかあさまから、どんなチョコを、いただいたの?」

「う、うん。えーっとね、なんか美味しいやつ」

「ど・の・よ・う・な・も・の・を・い・た・だ・い・た・の?」


背筋を凍り付かせそうなほどの冷気、それは裸で外を走り回るような寒さと恐怖である。想像しみてほしい。気温が余裕で過負荷の地域を。コタツで暖をとっているはずなのに、冷汗が高度経済成長期の頃の工業排水のように無駄に不必要にダラダラと流れ出る。彼女の眼は少し細く……なんか浮気の言い訳をする夫のような気持になる。いや、付き合ったことすらないけどさ。年齢=彼女いない歴ですけどなにか? 女子と話す時は決まって眼を合わせられませんけどなにか? 最近、うっすらと男色家では……と噂されていますけどなにか?


「い、いやだなぁ。別に変なものはもらってないよ? バレンタインキャンペーンだから安いやつだよ、と言っていたけど……」

「どんな形だったの?」


彼女はにこやかに、それもお話の中に登場する、平民を差別するような貴族の御令嬢が微笑む営業スマイルそのものだった。見下されている訳ではないのだけれど、なんだろう、侮蔑? とも違うけれど、何か僕にとってはあまりよろしくない感じの表情である。蛇に睨まれた蛙? 猫に睨まれた鼠? 絶対的権力の所持者の前の奴隷?

すごく怖い。


「え、なんか一番安いやつだったと言っていたけど……」

「もう一度言うね。ど・ん・な・か・た・ち・だ・っ・た・の?」

「え、あの、その……はい。いや、別に深い意味はないと思いますが……」

『ジロリ』

「ハート形でした」


うわー、実の親からハート形のチョコをもらった話をなんで女の子に言わないといけないの? なにこれ、なんでこんなはずかしめをうけないといけないの? ないわ~。

おそるおそる、とまでは言わないけれど若干の怯えは隠しきれない自信があるぜ! 僕って将来尻にひかれそうなタイプだな! 色々となんかショックだよ!


「………………」


彼女の笑顔が大変恐ろしい。もうなんか捕食者の眼をしているの。ごめんなさい。もう許して下さい。僕がなにをしたっていうの?

一応、笑顔のはずなんだよ? なのに眼は笑っていないし、口は引きつった感じだし、眼元はピクピクと痙攣しているし……


「それで?」

「はい?」すごく声が上擦る。

「どこのお菓子屋さんのだったの?」

「えーっと、どこだったかな? ……確か、どこかの地名をアナグラムした感じのお店」


説明しよう! アナグラムとはある言葉のつづりの順番を変えて違う言葉に置き換える言葉遊びのようなものである!

例えば『evil(悪)』が『live(生きる)になるとか、『Christmas(クリスマス)』が『trims cash(現金をすり減らす)』とか、『アナグラム』が『グアムなら』とか。作家さんがペンネームとかに使ったりするよ。


「………………」


あ、あれれ? 寒気が数段増した気がする。す、スマイルがいちばーん。うゎやっべー、すごく棒読みだ。

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