表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

はんたいこ、バンザイ?

作者: 三多来定
掲載日:2026/05/02

 僕のお母さんは怖い。


 朝おきないとおこってくるし、ゲームをやっていてもおこってくるし、宿題をすぐにやらないとおこってくる。


 小学校から帰って来て手を洗っていると、鏡の中の僕が、とつぜん話しかけてきた。


「コッチのお母さんは、はんたいこで優しいよ。僕とこうたいする?」


「ほんとうに? じゃあ、こうたいする!」


 鏡の中は、すべてが逆だった。

 2階につづく階段の場所が逆。

 キッチンとテレビの部屋が逆。


 ご飯を食べるテーブルで、お母さんが雑誌をめくっている。


「お母さん、ゲーム、やってもいい?」


「いいわよ」


「まじで? やった!」


 お母さんは、にこにことしている。


 僕はバンザイをして、ゲームをやり続けた。



 あたりが暗くなるころ、僕はゲームをやめた。

 目がしぱしぱしてきたし、おなかがすいたからだ。


「お母さん、夜ごはんは?」


 同じ場所でスマホを見ていたお母さんは、スッと千円札をさしだした。


「コンビニで好きなもの買って食べてね」


「ほんとに? やった!」


 僕はバンザイをして、コンビニでカレーライスを買ってきた。


 コンビニのカレーは、僕にはからくて、ちょっと量が多かった。



 もう一回ゲームをしても、ゴロゴロしながらテレビをみても、お母さんは優しかった。

 早く寝なさいと言われなかったから、僕は11時までおきていた。


 ねむくなって、ベッドに横になって、僕は思い出した。


「宿題してない!」


 僕はおきあがり、いそいで漢字の宿題をした。




 つぎの日、僕はねぼうした。


 お母さんは僕をおこしにこなかった。


 お母さんはにこにことしていておこらなかったけど、テーブルの上に朝ごはんはなかった。



 僕は洗面所の鏡をどんどんとたたいた。


「ねえ、はんたいこ、もうやめたい!」


 


 はんたいこじゃないお母さんは、朝ねぼうした僕におこりながら、朝ごはんを出してくれた。


 お母さんは、やっぱり怖かった。

 ご一読いただき、ありがとうございます。

 

 はるか昔、地元の新聞の童話コーナーで小さな賞をいただいた思い出の作品です。


 今読むと、けっこうホラーでした……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ