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安らかに  作者: 秋山 京
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訃報

土石流があった日から1か月が経ち、通行止めだった道路が開通し、

2か月が過ぎた頃、総務から1枚の紙が回ってきた。


業務連絡と書かれた紙には、行方不明だった彼が見つかった事。

通夜と葬儀の日程と、家族葬で行う事。

20代で人生を終えた彼の訃報を悼む言葉が添えられていた。


行方不明者が少なくなり、あと数人というところで見つかった彼。

2か月に及ぶ自衛隊の頑張りで、残された人にお別れを言う機会をもらえた。


僕は通夜には行かなかった。

仕事で直接関係は無かったし、友人というほどの仲ではない。

慣例として部署で用意したご霊前は、通夜に行くという部下に託した。


通夜の日は落ち着かなかった。

総務部は通夜を手伝いの為就業時に喪服に着替えて帰宅し、

他部署は部長達が通夜に顔を出しに行くらしい。

少しだけ、悶々としながら目を閉じた。


通夜から一夜明け、部下が香典返しを持ってきた。

死体は綺麗だったと、言葉を添えて。

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