表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界帰りの勇者、RPG世界にモブ転生  作者: ヒカリ
序章 元異世界勇者、転生したらモブだった
4/24

[大幅改変中]   転生から月日は流れ


 ーーー998、999、1000!!


「ふぅ、よし、素振り終わり!」


 疲れてない



力の考察と結果発表



 流れる汗を首にかけたタオルで拭く。冬が明け始めた今の時期はかいた汗が直ぐ乾いてくれるが、ちゃんと拭かないと風邪の元になりかねない。


 もちろん実体験から来てます。


 魔法でMP(マジックポイント)を使い切った後に、長い時間をかけて1000回の素振りを行う。その後には少しだけ回復したMPを使って魔法を発動させる。


「『水よ出でよ(ミズヨイデヨ)』、〈ウォーター〉」


 そう言うと、伸ばした掌の前に水の塊が出現した。コップ一杯分も無い程度の水が球体に近い形のまま浮遊し、1分経てば重力に従って地に落ちていく。


 この世界の<魔法>は必要量のMPさえあれば詠唱を唱えるだけで発動する。逆に言えば、MPが足りなかったり、詠唱しなければーー特殊なスキルが無いならーー魔法は発動しない。

 

 俺が元居た異世界では体にある魔力を外に放出し、属性を与えてやることで魔法を発動していた。だが、ここでは自分の魔力をなんとなくだが感知する事が出来ても、魔力を動かすことは一切出来ないんだ。


 今まで長い間魔力を動かしてみようと頑張ってきたんだが、うんともすんとも言わないんだよなぁ。せっかく異世界での経験が活かせると思ったんだが。


 え、何年経っているか、だって?


 10年だよ。うん、もう俺は15歳です。春になったら学園に行きます。

 

 今世は前世よりも成長が早くて15歳でも身長は175cmまで伸び、身体は細マッチョっぽくなっている。顔は前世よりイケメンな感じになっていて艶のある黒髪と色濃い黒目は母親似の様だ。


 そんな成長を遂げた俺はこの10年間しっかりと頑張って来た。素振りも欠かさずしてきたし魔法も毎日限界まで練習した。


 でも、ぶっちゃけ今の俺はクソ雑魚だと思う。


 理由は2つあって、1つは俺が記憶を思い出した時の経験から来てる。そう、あのクソ黒ライオンのせいだ。あいつの威圧に当てられたせいで家の外から出るのにも苦労したんだぜ?


 外に出ようとしたら身体が震えまくって拒否反応が出るんだ。仕方ないから最初は家の中で隠れて素振りやら魔法やらを使ってたよ。効率はめちゃくちゃ悪かったけど。


 なんとか家の外に出れるようになってもライオンのいる方向にすら行けねえし、外に出る柵に近づくだけでも身体が震えてしまう。だから俺は一歩も村の外に出たことが無いし、魔物を倒した事も無い。なのでレベルが初期のままなんだ。


 これが俺が弱い理由の1つ目。



 もう1つの理由はこの世界と共通点が多過ぎるゲーム、<ユニオン・ファンタジア>に関係する事。


 <ユニオン・ファンタジア>というゲームには、<レベル>や<スキル>、<ステータス>という要素の他にも<適正>や<熟練度>というものがあるんだ。


 <適正>は魔法や武器のダメージ量に関わってくるし、<熟練度>はあらゆる魔法、武器、スキルごとに存在して、ダメージの底上げや様々な条件達成の為に必要となる。


 適正は5段階あり、弱い順からD、C、B、A、Sの順で強くなる。魔法は火、水、土、風、の4属性あって、武器は斬、突、打の3属性。


 今の俺の適正は正確には分からないんだが、結構低いと思われる。


 だって明らかに逆()()が掛かってるもん。


 確かに今の身体能力は前世より貧弱だし今はステータスも低いだろうけど、素振りをしているときに明らかに速度がおかしくなる時があるんだ。


 手ごたえはばっちりなのに何故か予想よりも遅い。なんというか、剣を振った時に時に()()している気がするんだよな。


 ゲーム的に言えば、多分ステータスのSTR()とかAGI(俊敏)とかの値に武器の適正が関わってなんやかんや計算結果が出されてると思うんだけど……。


 あれ、この世界って一応現実だよな? 何でゲームの補正とか影響してるの? もしかしてリアルな夢だったのかな?


 と錯乱しながら頬を抓ってみるが、痛みを感じるだけで夢から覚めたりなんかしない。


………うん、まあ現実逃避はこれくらいにしよう。


 というか最初からおかしい事だらけだったし今更だな。村の中でもレベル、スキル、ステータス、魔法とかの概念が日常に溶け込んでいた。というか俺の両親も普通にステータスがどうこうと話し合っていたし。


 事実として、この世界には<ユニオン・ファンタジア>のゲームシステム的な力が強く働いているようだ。


 そのシステムの中で特におかしいと思う所がある


 普通なら全力で走れば息が苦しくなり身体の筋肉に疲れが溜まっていく筈だが、この世界ではそうならない為、ずっと全力で走り続けられるんだ。

 

 もちろんそれには限界があり、腹が減ったり喉が渇いたりして全く力が出せなくなる時が来る。


 汗もかくし腹も減るから身体の機能が前世と比べて特別に変という訳では無さそうだし、最初に言ったように風邪も引くし病気にも(かか)る。そして体調が悪ければその時引き出せるステータスの力も弱くなってしまう。


 変に思えるが、この世界の住民から見ればこれが()()なんだ。


 また、どれだけ運動しても筋肉痛が来ないので多分筋肉を増やすことは出来ないだろうし、MPを使い切っても最大MPは上がったりはしない。


 だから毎日地道にコツコツと剣や水魔法の熟練度ーー在ると思うんだけど存在は確認出来てないーーを上げているんだ。もちろん、水魔法だけを育ててる理由はちゃんとある。てか全属性を育てようとしたら時間がいくつあっても足りねえわ。


 多分、魔法の適正も低いと思うし。うん、威力がね、全属性しょぼいんだよ。


 まあ、適正の話はもういいんんだ。自分の中では区切りがついてるし、それにもうクヨクヨしている時間も無い。


 この村でやれる事はやっておかないとな。



 詠唱しても魔法が発動しなくなるまで〈ウォーター〉を発動してMPを枯らした後、今いる位置とは逆方向にある村の端を目指して歩き出す




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ