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異世界帰りの勇者、RPG世界にモブ転生  作者: ヒカリ
第一章 王立学園入学 そして邂逅
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中級者の森 2 攻略初日


 無事にジョブ持ちゴブリンパーティを倒せた俺たちは、さっきの戦闘について一度話し合う事になった。


 周囲を警戒しながら、まずはサンが口を開く。


「さっきのゴブリン達との戦いはどうだった? ゴブリンファイター相手でも棍棒持ちぐらいなら楽だったね」


 中級者の森の序盤でも敵はレベル20を超えているはずだから、俺たちと大体同じレベル。ゴブリン相手なら武器の性能によっては難なく戦えるようだ。


「俺もそう思うが、逆に石の大剣だったり斧を持ってる奴が出てきたら厳しい戦いになりそうな気がするぜ」


「確かに。大剣持ちと戦ったことはあるけど、一撃がかなり強かったし集団で出てこられたら厳しいだろうな。

 こっちのゴブリンメイジの方は速攻で攻撃してしまえば楽だったよ。結局一回も魔法を使わせずに倒せたし」


「まあ、まだ一度戦っただけ……だな。今回は楽だったけど気を引き締めていかねえとな」


 人数がいるとやっぱり戦いやすい。初心者の森の時は敵が弱かったけど、それでも人数不利だとしんどかったし。特に大剣持ちのゴブリンファイターとは二度と戦いたく無い。


 この戦いでは特にダメージは受けていないため、そのまま森の奥へと進む事になった。


 魔物と戦った後は話し合って、それぞれの体感を共有する事で同じ敵パーティと当たった時の対応を改善させていった。


 今日出会えた魔物は、ゴブリン系では<ゴブリンファイター><ゴブリンメイジ><ゴブリンアーチャー><ゴブリンソードマン>。


 <ゴブリンファイター>は毎回出会うゴブリンパーティに必ずいて、棍棒を武器にして襲ってくるため対処は簡単だった。

 <ゴブリンソードマン>はゴブリンファイターよりも毛皮を着込んでいて防御力があり、ボロくて錆びた剣を持っているのが特徴。


 この2体はそこまで強くなかったので、1体1の状況に持ち込めば難なく倒せた。


 しかし、ゴブリンメイジとゴブリンアーチャーが出てくると厄介で、特にゴブリンアーチャーがいるとかなり戦い辛くなる。


 <ゴブリンアーチャー>は弓を使ってくるゴブリンで、その精度はなかなか高い。俺が前衛ゴブリンを無視して狙いに行っても、弓で狙われると回避に専念せざる負えなくなってなかなか近づけない。しかも俺らのスピードでは前衛ゴブリンと連携されるとどちらかの攻撃は必ず喰らってしまう。


 何回か遭遇する中で、弓相手には2人がかりで速攻潰すの一番だと気づいた。ゴブリンファイターもゴブリンソードマンも足が意外と遅いため、ゴンに一度足止めして貰えれば、ゴブリンアーチャーを倒してからでも十分に間に合うんだ。

 まあ、これはゴブリンアーチャーが1体しか出てきてないから出来る事で、もし2対同時に出てきてしまったらかなり厳しいだろう。


 というか、ゴブリンメイジとゴブリンアーチャーが同時に出てきた事が一回だけあるから後衛2体の厄介さは身に染みている。



ーーーあれはゴブリンアーチャーの対応に慣れようとしていた時の事だった。

 編成としてはゴブリンソードマンが前衛で、ゴブリンメイジとゴブリンアーチャーが後衛。


 1体1の状況を作るため俺はゴブリンメイジに向かっていき、サンがゴブリンアーチャーを担当する。いつものように前衛ゴブリンを避けて行こうとしたが、俺を狙ってアーチャーから放たれた矢を回避し続けていると、追いかけてきたゴブリンソードマンと相対する事になった。


「ゴン! 行ってくれ!」


「了解!」


 俺がゴブリンソードマンと戦い、ゴンがゴブリンメイジへと走る。サンが矢の牽制により近づけないところを2人で攻めようとしたが、その時、魔法が発動されてしまう。


 喜びの混ざったような叫びと共に、燃え盛る火の玉がゴブリンメイジの杖の先に浮かんでいた。詠唱魔法で言うところの〈ファイアーボール〉なのだろう。

 魔法発動に動揺したサンとゴンの隙を突いて矢が飛んで来て、気を取り直す頃には何発か喰らってしまったようだ。


 俺がゴブリンソードマンを倒してそちらのフォローしに行っても状況は動いていなかった。


 メイジは火の玉をいつでも打てる状態で保持しておき、アーチャーが矢で牽制する。この時は、最悪のコンビが完成してるじゃねえか。ふざけんな! という気持ちでいっぱいだった。


 このまま魔法の一撃を恐れても何も進展しない。3人でゴブリン2体を囲い込み、俺が背後から突撃する。取り敢えず膠着状態に陥った時は俺が率先して動くと決めてあるんだ。


「ウオオォォッッツ!!」


 なるべく注意を惹きつけるように大声を出して、囮となる。驚いたメイジはこちらへと火の玉を投げつけてきた。


 走りながらいつでも避ける準備をしていた俺は、火の玉に掠りながらもなんとか回避成功。思ったよりも魔法のスピードが早くて危なかった。


 その後、火の玉保持による牽制を失ったゴブリンどもはすぐに倒される事になった。


 この戦いで俺は50ダメージも受けてて、魔法の恐ろしさを強く感じたよ。それまで一方的に倒せてたからメイジさんを完全に舐めてた。


 この戦いが決定打となり森からの撤退を決めたんだ。勿論、撤退する途中でも何回か魔物と出会う事になったが余裕だったので助かった。



 他に出会った魔物は<フォレストバード>と<魔ジカ>だ。

 それぞれがフォレストバード同士、魔ジカ同士で組んでいたため、攻撃のパターンが少なくてゴブリンよりは対応しやすかった。


 <フォレストバード>はキツツキに似た鳥の魔物で、勿論、3体で組んで襲って来た。鳥なだけあって空を飛んでおり、攻撃して来た瞬間を狙ったカウンターか風の魔法で撹乱して落とす等しないと攻撃が当たらないので面倒な敵だ。


 しかし、攻撃時は一直線にクチバシを突き刺そうとしてくるので、タイミングさえ分かれば叩き落としてハメ殺しすることも出来る。攻撃方法は二角ウサギに似ているから対処はしやすいが、二角ウサギよりも早くて呼び動作も分かりにくいので慣れるまで時間がかかった。


 <魔ジカ>は魔法を使うシカで、角の間に魔法を溜めてから放ってくる。大体チャージ時間はゴブリンメイジと同じくらいだが、広いフィールドを動き回るので何度か魔法を発動された。


 使って来た魔法は水、土、風属性の玉を作り出して飛ばす〈〜ボール〉系統の魔法だけであり、火属性魔法は使ってこないっぽい。ゲームでは全種類をランダムで使って来た気もするが、場所が森だから気にしてるのか? もしそうなら平気で火を使うゴブリンより頭が良さそうだ。


 シカ自体の動きが素早い分魔法の威力は弱めで、魔法の速度も速く無かったため回避は容易であった。動き回って俺らの攻撃も回避してくるが、1体ずつ集中攻撃すれば簡単に倒せるので、中級者の森の魔物中では一番倒しやすかった。



 厄介なゴブリンパーティとの戦いを最後に撤退し始めた俺達だが元々切り上げる予定であった昼まで戦い切り、合計で20回以上は戦えたので経験値的には十分だ。ドロップアイテムも荷物になるからあまり回収しなかったが、サンとゴンの2人はレベル上げのためとはいえ金をドブに捨てるような行為には抵抗がある様だ。


 学園のクラスを上げるためには他の人よりも速いレベルアップが必須と分かってるから俺の<アイテム放置レベル上げ>に賛成したが、理解はできてもなかなか割り切れないらしい。

 金を無駄にしたく無い気持ちは分かるが、俺の方は未だにゲーム感覚が抜けてないから金ーー金になるアイテムを回収するーーよりもレベル上げの方が重要だと感じている。


 だからこそ色々とゲーム基準で考えてしまい、この世界の常識とズレてしまっている。例えば他の冒険者や生徒の動向についてだ。ゲームではイベント以外で、魔物の生息する場所やダンジョンで他の冒険者や王立学園の生徒と出会うことは無かった。


 しかし、今日行った3、4時間程度のレベル上げだけで7回も他の冒険者パーティとばったり出会ったんだ。大体20代30代程度の年齢の人が多く学生らしい若いパーティは1組しか居なかったが、たまたま会わなかっただけなのかあまり生徒が中級者の森(この森)に来ていないのか分からない。


 ゲームとは違って魔物の取り合いなどのトラブルも有りそうだし、森に来る人が多すぎて魔物が少ないなんて状況になる可能性もある。何にせよまだまだ知るべき事は多いな。




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