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異世界帰りの勇者、RPG世界にモブ転生  作者: ヒカリ
第一章 王立学園入学 そして邂逅
16/24

[大幅改変中]    王立学園入学前 2 スカイ先生との再会


 学園の寮。そこは4階まである大きな建物だが、1つの階層に50人住むことになる。


 1階には大浴場や食堂、その他諸々の全員で共有する場所があり、2階から順に1年生、2年生、3年生の住む階層となっていく。


 生徒の住む階層には26部屋あり、高級感のある鮮やかな赤茶の絨毯を挟んでそれぞれ並んで向かい合い、空いた角のスペースに階段が設置してある。



 俺の部屋は2階の角部屋で、<シシ・クロウ>の他には<ゴン>というネームプレートが掛かっていて、1部屋に二人で住むのことになることが伺える。

 

 部屋はホテルの2人部屋程度の広さで、玄関横には靴入れとトイレ。少し進めば洗面台とお風呂。奥の空間には床から天井まである大窓が見え、両側の壁に沿うように机とベットが1セットずつ置いてある。

 天井にはカーテンをかけられる線がついており、付ければある程度の仕切りになるだろう。


 机の上には制服やジャージ、ダンボールなどが置いてあった。名札っぽい物も置いてあるので、部屋に入って右手が俺の定位置だとすでに決まっているようだ。


 何が置いてあるかは向こうで貰った書類に書いてあるので、盗まれたら分かるようになってる。まあ、同居人がいい奴とは限らんからな。

 机の引き出しには鍵がかけられるようなので、盗まれないように自分で管理しろとも言ってる気がする。


「まあ、特に荷物は持ってきてないし、金持っていけば十分だろ。探検でもしてみるかな」


 あの校舎の内部も探検してみたいが、取り敢えずこの寮の屋上に登ってみようと考えた。

 

 屋上はゲームでは男同士の友情を深めた時のイベントエリアとして使われるが、見晴らしが良いと言われてるくせに景色を映すシーンは無いため、かなり気になっていた。


 4階まである長い階段を登り切ると屋上へ続く扉がある。


 扉を開けて歩を進めると、右側にはこの男子寮と同じ形の建物である女子寮、そしてその先に何か小さな小屋が建っているのが見えた。

 左側には校舎と浮いている謎の物体が見えた。


 左の方向に歩いていき柵に手をかける。屋上から見下ろしてみると、改めてこの空間の広さが分かるな。


 大きな円を作るように木々に囲まれたこの空間で、太陽に照らされた草原が風に揺られて、大自然を肌で感じられる。


 見下ろすと、校舎の後ろには街のように大小様々な建物が並んで立っていいるのが分かる。もらった書類に紛れていた学園敷地内の地図に詳しく載っているが、室内訓練場や売店、教会などがあるようだ。

 ちょうど俺が来た方向からは校舎が邪魔で見えなかったが、前世の知識で知っていたのでこんなに建物群が隠れていても驚きはない。


 ここから左側には、俺がここに来た時に近くを通ったボロ小屋がちょこんと存在しているのが見えた。あのときの騎士らしき姿も見えるが、まるでゴミのように小さく見える。


 あの小屋は、この位置からコロッセオの方向や女子寮の奥、俺が来た方向の逆にもあり、<異次元空間(ダンジョン)>の入り口を覆い隠しているんだ。ボロそうな小屋で大丈夫かと心配になるが、中でもう1段階デカい金庫に守られた二重構造になっているので安心してくれ。


 この学園には合計5つの<異次元空間(ダンジョン)>があるのでもう1個はまた別の場所にある事になるが、それは一旦置いておく。


 今は空にぷかぷかと浮かんでるあの毛玉と話したい気分だなあ。ちょうど良い時に出会えたぜ。


 ルルーフ・スカイ。


 校舎の上で丸まって毛玉の様に浮かんでる姿が見れる彼女だが、ゲーム内ではなかなか出会えないレアキャラだ。まあ、戦闘面ではかなり強いからそう簡単に仲間にはできないーー仲間にするためには話しかけて好感度を上げてから特殊イベントをクリアしていく必要があるーーのも仕方ない。


 だが、今の俺にはスカイ先生と既に知り合っているというアドバンテージがある。だからこそ、初めのうちに好感度を稼ぐ事ができるのだ。


 浮かんでいるスカイ先生を見ていると不意に目が合った。


 チラっ


 ………



 ふよふよふよ


 無言の時間を過ごし、こちらに背を向けて離れていくスカイ。このまま逃してたまるか。


「おーーーーーい!!スカtーーむぐっ」


「ちょーーっっとお話ししましょうね〜〜」


 大声でスカイ先生を呼ぼうとすると、文字通り飛んできた。


「久しぶりですね先生、あの時は()()()になりました」


「も〜ほんとに、めんどくさい子と知り合っちゃったな〜。それで、何かようかな〜?」


「6月くらいにちょっと遠くの街で用事ができまして。連れて行って欲しいんですよ」


「え〜〜〜〜、そんな便利屋みたいな扱いは〜」


ボソッ「善意で迎えにきてくれたのに」


「くっ、とんでもない子だ〜〜。ねえ、精霊さんもそう思うでしょ〜」


 精霊。「ユニオン・ファンタジア」には精霊が存在しており、魔力の満ちた場所や魔境ーー魔物がひしめき合っている環境ーーに宿り、その場所と一体化しているらしい。精霊はその場所の環境が破壊されないように守る、または環境を再生する力を持っている。


 そして、スカイは精霊ちゃんに力に制御を手伝ってもらっているんだ。〈空〉という特殊魔法は最上位の力なだけあって制御が難しいからな。


 精霊の説明と違わないか?と思うかもしれんが、まあ、スカイと喋っている奴が<精霊さん>という名前なだけであって、精霊とは一言も言ってないからな。


 とにかく、スカイは精霊さんと話しが出来るし、精霊さんのおかげで猛威を振えるって事だ。


「で、どうなんですか。送ってくれますか?」


「………どこの町なの〜?」


「東にあるヒナモリの町です。土日に行く予定ですよ」


「あ〜、あそこか〜。飛んで半日ってところかな。ん〜〜もしかして1泊2日な感じ〜?」


 にこっ。こちらが有利な立場に立ってる時は多くを語らずとも伝わるんだよ。


「はあ、仕方ないな〜。送ってあげるからあのことは黙っててね〜」


「分かっていますよ。俺からは喋りません」


 俺からはな。スカイは結構抜けてるとこがあるから、ボロを出して自爆する可能性はあるが約束は約束だ。しっかりと守ってもらうぜ。


「じゃあもう行くね〜。その時が近づいたらまた言ってくれれば良いから〜」


 そう言いながら、さっさと飛んでいくスカイ先生。


 ちょっとゆすりすぎたかもしれん。まあ、今のところはパーティに勧誘する予定は無いから、ちょっとぐらい好感度が低くても構わない。


 スカイ先生には隠れた地雷が埋まってるのがネックなんだよな〜。




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