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〈君といる夏休み〉  作者: もち
1/4

水泳部の夏

☆1

 

・小牧恵三は、夏休み初日に恋をした。

そのとき彼はまだ12歳だった。

水泳部に所属していた彼は、

その日の練習で、明るく元気でどこか儚げな、

色白で可愛い女の子に出会った。

台に手をかけている時に、その子は唐突に現れた。

「先生、見学に来ました。見ていっていいですか?」

その子と目が合い、彼女は柔らかく笑った。

夏の光のまぶしい午前中、蝉の声がうるさく、

顔と体を浸したプールの水が、とても美しく輝き、

(この子可愛いな)と、それはとても絵になる、

衝撃的な瞬間だった。

水泳部の顧問の竹崎佑香先生は、

彼女に、気安い言葉で話しかけた。

「おー来たか来たか。水泳部は部員少ないから、

いつでも歓迎だよ!ユミちゃんももう中学生か。

時間が経つのは早いな。まあゆっくり見学していってよ♪」

水泳部の顧問の竹崎先生は、

三十代くらいの、おおざっぱな性格の先生で、

あまり生徒にきつく当たらないことから、

割とみんなに好かれる先生だった。

「先生、私水の中に潜るのが好きで、

そんなにはやく泳ぐことが出来ませんが、

しばらくでもいいからここで楽しい部活動をしたいな☆

プールの水冷たそう☆早く仮入部したいな♪」

ととても楽しそうに目を細め笑った。

衝撃的だった。

恵三はもちろん女の子は可愛いと思ってたが、

このユミと言う名の少女が、

具体的に何年生で、どのクラスにいるとか、

全く分からなかった。

見たことのない顔で、竹崎先生と仲が良いので、

先生の親族かなと思った。

呆然とその子のことを眺めていると、

彼女はキラキラ笑い、恵三に手を振って、

「ヨロシクね!」と気安く声をかけた。

恵三は真っ赤になって、プールの水の中に、

顔をうずめ、(えー可愛いよ)と驚き、

その日はそれ以上彼女と絡むことはなかったが、

女の子にはじめて笑顔を向けられ手まで振られ、

純粋過ぎる思春期に、恵三が淡い恋に心をときめかすには、

十分すぎるシチュエーションだった。

その子は、練習が終わり礼をして解散する前に、

帰ってしまったが、とても印象に残る夏の日だった。


…………『続く』

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