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097 東進18 ──コモン・スキルとユニーク・スキル


 ──その日の夜。


 晩御飯には午前中に狩った鳥がさっそく出てきた。

 鳥のお腹に木の実やハーブを詰めて、木の葉に包んで蒸した一品。

 なんとも野趣に溢れる御馳走だ。


 それと、驚いたことにコーヒーが出てきた。

 正確には何かの植物の根を炒って、煎じたもの──とのことだったが、僕の舌には本物のコーヒーとの区別がまるでつかない。


 この日の晩御飯もすこぶる美味しく、僕はまたもや手放しで誉めちぎった。


 すると彼女は、「アスベさんの魔石のおかげで、立派な弓矢を作れたからです。凄いのはアスベさんの方ですよ」と何故か逆に僕を持ち上げる。


 そして、スッカさんはニコニコしながら、久しぶりに鳥が食べれて嬉しいです、とかなんとか言いながら、僕にお礼を言いつつ、美味しそうに鳥の肉を頬張った。




 食事の途中、適当なタイミングを窺いながら、僕はスッカさんに色々なことを質問してみることにした。



 まずはスキルについて聞いてみる。


 ──他人からスキルを教わって、習得することは可能なのだろうか?



「えーっと。今から言うことは長老の受け売りですよ? スキルには二種類あるらしいんです」

「へえ」



「まず一つは、その人の才能に根差したもの。例えばアスベさんの【Hate】とか。これは才能のない人がいくら努力しても絶対に取得出来ません。こういうスキルをユニーク・スキルと言うそうです。ユニーク・スキルを持っている人なんてほとんどいません。だから、アスベさんは特別な……勇者のような存在なのかもしれませんね」

 そう言うと、彼女は尊敬を湛えたような視線をこちらに向けた。

 

「う、うーん。そうなんですかねぇ……」

 なんか、居心地悪い……


「そして、もう一つは、コモン・スキル。こちらは努力すれば誰でも取得出来る可能性があります」

「へぇ。なるほどぉ!」


 僕は自身が出来る限りの、最大限、効果的で相手が話易くなるような──そんな相槌を心掛けながら、彼女の話に聞き入った。



「……例えばアタシの【料理】、【隠密】、【簡易練成】、【浄化】スキルなんかがそうです。そして、これらのスキルは人に教えることも可能です」

「へえ。そうなんですね」


「…………ただし、コモン・スキルといっても、誰でも使えるようになる訳ではなくて、その人の才能とか、教えてもらう人との相性などによって一生身に付かないこともよくあります……例えば、【浄化】スキルは村の中では、アタシを含めて数人しか使うことが出来ませんでした……」

「へぇ……そうなのかぁ」


 なるほど、他人からの手解てほどきがあれば、コモン・スキルなら習得出来る……かもしれないということか。



 ……それはそれとして、どうも自分の相槌が不自然な気がする……何がダメなんだろう?……心なしかスッカさんの表情が、険しくなっているような気がしないでもない……


 そんなことを思いながらも、僕は話を次に進めた。


「……それでは……お願いになってしまうのですが……スッカさんのスキルを、僕に教えていただくことは出来ないでしょうか?」

「えぇ。いいですよ」



 拍子抜けするくらい、あっさりとオッケーが貰えた。

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