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090 東進11 ──【魔石融合】2


「僕はいいんですよ。この【神木の槌】があるし、他にも火力はヒー太たちがいるし。当面は必要ないと思いますので」


 そう言うと、僕はスッカさんに刀を手渡した。

 彼女はそれを受け取り、少し考える素振りを見せてから、そろりと立って──そして、嬉しそうに腰の帯に刀を差した。


 その懐刀は黒髪の彼女に妙にしっくりと馴染んでいて、まるで大昔から彼女の腰が居場所であったかのような、頼もし気な存在感を放っていた。



 まるで一服の絵のような。実に様になっている。


 そんなことを思いながら、帯刀した彼女の立ち姿に見惚れていると、スッカさんが僕の目を覗き込むようにして、口を開いた。


「うーん。どうですか? 似合ってますか?」

「はい。とても似合っていますよ」


 だけど、彼女は柔らかに眉を寄せ──。

「でも、アタシ、刀なんて使ったことないですし、出来れば弓を持ちたいかなぁ……これやっぱり、アスベさんに持っててもらっていいですか?」

 少し口をとがらせ気味にして、そんなことを言ってくる。


「あー。でも……僕も、平和な国から来たもので……刀なんて触ったことがないんですよ……。なので、是非、スッカさんに持っていて欲しいです。せめて、弓が手に入る間まででも」


「うーん。そこまで言っていただけるのなら……本当にありがとうございます。大切に使わせてもらいますね」

 そう言うと、彼女は大事そうに刀を抱いて、ニッコリと僕に向かって微笑んだ。


「またどこかで、剣が手に入ったら、今度は僕の分の剣を作って下さい」

「はい。是非、そうさせて下さい! あと何回かやれば、もっと上手に出来るようになると思います。それに……もう少し慣れたら、魔力属性を付けた武器なんかも作れるかもしれません。腕のいいドワーフの職人ほどではないですが、八ツ目族もそれなりに、手先が器用なんですよ」


「へぇ。ひょっとしたら、鉄の固まりとか、材料があれば、剣や盾そのものも作れますか?」

「うーん……村に居たときは……ドワーフの住んでいる村まで足を運んで、物々交換で武器や盾を手に入れていたんです。だから、武器そのものを作っている八ツ目族を見たことがないので、出来るかどうか……多分、鉄から作るとなると、それなりの道具が必要になると思いますし……」


「うーん。難しそうですか。なるほど。残念です……」



 僕は【魔石融合】の材料となる武器の入手方法について、頭を悩ませた。

 ここは魔物が跋扈する異世界だ。扱える武器は多いに越したことはない。


 なにかいい入手方法は、あるのだろうか?

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