089 東進10 ──【魔石融合】1
だけども、あははは、と楽しそうに笑い声をあげるスッカさん……。
「今のでコツを掴みました! もう一度やってみてもいいですか?」
失敗にも負げず明るく再挑戦を望む彼女に、僕はダメとは言えず、首を縦に振るしかなかった。
僕のようなナチュラル・ボーン・ルーザーは、“いいですか?”と言われれば、“いいですよ”と答えるしかないのだ。
スッカさんが再び魔石を品定めし、融合に臨む。
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今度はうまく出来たようだ。
オレンジ色の光の中から、刃渡り20センチばかりの小さな刀が姿を現す。
その小刀の刀身に、焚火の明りが映り込み、紅玉色の光がゆらゆらと揺らめいていた。
さっそく、【鑑定】スキルを発動する。
“──【懐刀・改】──武器。攻撃力189”
「おぉ! 凄いですね。攻撃力が189もありますよ」
褒める僕を余所にして、しかしスッカさんはポリポリと顳顬を掻いている。
「うーん。ごめんなさい。本当は脇差を作りたかったんですが……森の中だと、大剣は不便なので……でもなんだか、小さくなり過ぎちゃいましたね…………仕上がりのイメージが不十分だったみたいです。すみません……大事な剣を二本も無駄にしてしまって……」
「そんなことないですよ。これはこれで立派です。使い勝手も良さそうですし」
そう言って、僕は自身が保有する【小型ナイフ】を改めて【鑑定】してみた。
「ほら、僕のこのナイフなんて、攻撃力が14しかないですよ。スッカさんの作ってくれた懐刀の方が遥かに優れています」
「そう言っていただけるとありがたいです。今後はもう少し精進します……」
「そんなぁ……気にしないで下さい。あっ、そうだ。その刀は差し上げますよ。スッカさんが護身用に持っていて下さい」
「えっ、いいんですか? 魔石も剣もアスベさんのものだったのに?!」
「僕はいいんですよ。この【神木の槌】があるし、他にも火力はヒー太たちがいるし。当面は必要ないと思いますので」




