051 湖へ5 ──カプトブレパス1
霞のかかった森をハヤナに先導してもらい、フェネックたちを従えて進んでゆく。
深い森は朝日を遮り、おまけに朝靄のおかげで視界は悪い。
途切れた樹々の葉の隙間から微かに届く朝の光が、淡い筋となって差し込み、神秘的な空気が森の中に満ちていた。
──今日からバオバブ広場を拠点に湖を目指す。
毎日、少しずつ、枝を払い、草を踏みしめ、獣道のようなものを作りながら進む予定だ。
そして、夕方までには広場に戻り、翌朝には再び、湖に向けて出発。
これを繰り返し、繰り返し、いつか湖に辿り着こうという算段だ。
──そんな感じで、森の中を湖を目指して歩き始めて、小一時間。
先行して空を飛んでいたハヤナから、高レベルの魔物の存在を知らせる“念”が届いた。
すかさず、【気配関知】の射程を最大化させ、【Ignorance】と【隠密】でこちらの気配を消去する。
勿論、ヒー太達への【Ignorance】の付与も欠かさない。
それらを済ませると、みんなで大きな樹の陰に隠れた。
程なくして、【気配関知】に魔物の気配が引っ掛かる。
気配からして、僕らよりかなりの高レベルであることは明らかだ。
待つこと数十秒。ガソゴソという木の枝が払われ、ザッザッという草が踏み締められる──魔物が近づく音が聞こえる。
そのまま、【鑑定】スキルの射程に魔物が入ると──。
“──【魔物】【カプトブレパス】【レベル10】──目が会うと数分石化。頭が異常に重く、鈍足。”
僕より4つもレベルの高い魔物だ。大きさは牛くらいか。
このレベル帯の魔物になると、今まで絶対にスルーしてたが、今はヒー太達がいる。
これまで一人だった所為で出来なかったことも、今なら出来るかもしれない。
僕は自分の持つスキルと、フェネック達の持つ魔法で試したいことがあった。




