表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/193

050 湖へ4 ──ハヤナ



 ◇


 ◇


 ◇



 ──バオバブ広場の中央付近。


 陽があるうちに、出来るとこまでやっておこう。


 そう考えて、早速家づくりに取り組んだ。 


 まずはツー太に、樹をぐるっと囲うようにして、高さ一メートルほどの土の壁を作ってもらう。

 その間、僕はうろの中の掃除と寝床作りに勤しんだ。



 ・

 ・

 ・



 【器用】などのステータスが上がったおかげか、予想外に作業が捗る。



 陽が落ち切る寸前。

 彼方の森の樹々が夕陽の中へと編み込まれていく中、ツー太特製の土のかまどが完成し、ようやく住処づくりが終わりを迎えた。


 ──その日の夜は早速、竈を使って鍋にした。

 材料はバオバブの葉と、昼間に狩った魔物肉。それらを竈に置いた鍋でぐつぐつ煮込む。

 煮立ったそれらをバオバブの樹の器に取り分ける。

 新しい仲間のハヤブサには取り分を多くしてあげると、“ピィィー!”と嬉しそうな声を上げ、翼でバタバタと宙を叩いた。



 夜空を見上げると尖った金属を想起させるような、細い三日月が浮かんでいる。

 その淡い光に照らされて、爛々と輝くハヤブサの瞳。

 その凛々しい顔立ちが、妙に頼もしいものとして目に映る。



 ・

 ・

 ・



 ──翌朝。


 耳に飛び込む様々な音と共に夜明けを迎えた。 


 この広場は、命の気配に満ちていた。

 小鳥のさえずり。

 猿っぽい何かを連想させる獣の咆哮。

 遠くから聞こえる正体不明の生物が鳴き合う声。

 そして、時折吹く風はバオバブの梢を揺らし、無数の葉擦れの音を掻き立てていた。


 それらの音がそれぞれに重なりあい、混然とした音を成して広場の空気を満たしている。

 

 山中の洞窟と比べると、随分賑やかな朝だった。


 そんなことを思いながら、寝床の中で大きな伸びを一つすると、脊椎の骨が心地良さそうに小さな音を立てた。


 


 目を擦り、朝特有の気怠さと格闘しながら、うろの外へと一歩踏み出す。

 すると、ハヤブサが樹上からヒラリ、ヒラリと滑空しながら僕の元へとやって来た。

 右腕を伸ばすと、音も立てず、ハヤブサが腕に止まる。

 この猛禽をよく見ると、くちばしと両脚の爪の部分が透明化し、宝石のようにキラキラと輝いている。



 “──【魔物】【ステルス・ファルコン】【レベル1】──最上級の隠密スキルを保有。”



 順当に魔物化している。


 この子には斥候役として、これからも活躍してもらおう。

 僕は新しい仲間を“ハヤナ”と名付けた。




 その後、魔物肉を焼いただけの簡素な朝食を済ませると、僕らはさっそく湖方面へと向かった。


 ・

 ・

 ・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ