表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/193

045 登山1 ──一区切り


 ──十日後。 


 レベル上げに勤しんだ結果、ヒー太達のレベルは速やかに5まで上昇。

 

 僕は再び、ヒー太たちに対して【Ignorance】付与の実験を行うことにした──。



 ──結論から言うと、格下の魔物相手であれば、完全なステルス性を発揮した。

 おかげで今まで以上に、安全かつ効率的に、魔物狩りが出来る。



 この他にも、フェネックが魔物の青い粒子を浴びようとする、謎の行動に関する実験も行った。

 

 こちらも結論からいうと、あの粒子を浴びることで魔物の力を取り込み、経験値を獲得してレベルアップに至るらしい──と推察された。


 ヒー太とカー子に粒子を浴びる動作を止めさせたところ、この二匹だけレベルの上がりが遅くなったのだ。

 再現性の確認のため、シロとツー太とミー太に同様のことを行うと、今度はこの三匹のレベルが上がらない。


 どうやら、次からは自分も率先して、青い粒子を浴びたほうが良さそうだ。


 

 ──そして、僕はここを一区切りと考えた。



 洞窟の入口に立って、山の頂上を仰ぎ見る。


 灰色の岩肌が延々と続く急峻な斜面。その斜面にしがみ付くように生えている灌木たち。

 山の頂の向うには、真っ白な雲を従えた青い空が広がっていた。



 一度、この山の頂上まで登ってみよう。

 何か新しい発見があるかもしれない。

 今の自分たちのレベルであれば、多少強い魔物が現れても大きな脅威にはならない筈だ。



 僕は突然の登山を思いつき、その日の夜に準備を整えると、いつもよりも早く寝床に就いた。



 ・

 ・

 ・



 ──翌朝。


 僕らは日の出とともに洞窟を発った。


 手と足を使って、這いつくばるようにして登攀とうはんしてゆく。

 ゴツゴツとした岩肌は夜の冷気を多分に含み、指が千切れるような冷たさだった。




 ──無心で黙々と山を登る。



 ありがたいことに、息が切れることはなかった。レベルアップの賜物だ。

 日本にいた頃の自分であれば、十メートル登っただけでギブアップをしていただろう……。



 そんな中、ヒー太たちは僕を先導しようと、跳ねるように軽快に山の斜面を駆け上がる。


 そんな彼らの後ろ姿を見ながら、“頼もしい……”と僕の口角も少し上がる。




 ──やがてお昼に差し掛かる頃合い。

 僕らはあっさりと、山の頂に着くことが出来ていた。



 山頂に立って、ふぅと大きく一呼吸。


 ──額の汗を拭って、周囲の景色を見渡した──。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ