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041 魔界の生活5 ──マジック・フェネック


 洞窟に戻り、スキルや槌の稽古などをし終えると、早速バオバブの実を食べてみた。


 酸っぱい! そして味は……微妙…………。


 だけど、これまで名も知らぬ雑草や木の実で植物成分を補っていた僕にとっては、食生活の一大革命だ。

 吉野家で牛丼並盛しか頼めなかった人間が、サイドメニューで生卵を付けられるようになった感覚?



 ──そんなどうでもいいことを考えながら、バオバブの実を食べ終えた。

 

 その後、魔物のドロップ品の肉を焼いて、バオバブの葉をサラダ代わりにしてお腹を満たす。


 魔物肉の一部は、いつものようにフェネックの餌付けに使った。


 フェネックとの距離はいつもと同じ十メートル…………



 ・

 ・

 ・



 ──翌日。


 昨日と同じようにバオバブ広場に出かけ、周辺探索を行う。


 【アンフィスバエナ(レベル3)】という双頭の蛇と、【ベンヌ(レベル3)】という鳥の魔物を一匹づつ仕留める。

 ドロップ品は、蛇肉と鶏肉(上)。



 ・

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 ・



 ──洞窟に戻り、いつもの日課。


 この日の餌付けで、僕はフェネックとの距離を九メートルまで縮めることが出来た。


 しかしこの時、僕はフェネック達に微かな違和感を感じた。

 いつもと変わらぬ愛らしさだが、なにやら雰囲気が変だ。


 よぉく目を凝らして見てみると、爪や歯が鋭くなっているように見える。

 

 お父さんフェネックに【鑑定】を施すと……



 “──【魔物】マジック・フェネック【レベル1】──魔物化したフェネック。火魔法が使える。”



 お母さんと子供達も【鑑定】スキルで見てみると、同じようにマジック・フェネックになっていた……。


 魔物肉を食べさせたことで、魔物化したのだろうか?



 フェネックたちが強くなって、僕に襲ってきたりしないだろうか? そんな一抹の不安が頭をもたげたが、餌付けは続けることにした。

 

 僕は今の生活に平穏と安穏を思えているのは事実であったが、それでも孤独感に悲鳴を上げそうになることがたまにある。



 他者が苦手で嫌いで怖くて──でも、人の社会から隔絶されるとそれはそれで、不安で寂しくて、気が狂いそうで…………


 …………夜の海を潮に流され、一人ぼっちで漂流しているような…………。

 

 そんな先の知れない不安と孤独に襲われる。






 なので、せめてペットでもいれば……


 僕の胸中には安息感と共に、そんな寂寥と身勝手さ同居していた。

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