038 魔界の生活2 ──五重苦のうちの一つ
──ここ2週間、判で押したような毎日を過ごしていた。
○朝日とともに起床 → 昨日の晩御飯の残りを食べる
○早朝のうちに森に行く→
1)湖までの探索
2)水集め
3)低レベルの魔物狩り
4)木の実・野草の採集
○夕方までに戻る→
1)各種スキルと、木槌の稽古
2)日用品作り
○日没後→
1)食事
2)フェネックの餌付け
3)就寝
日々の地道な努力の積み重ね。そのおかげで、僕のステータスはレベルは4まで上がっていた。
日課の森探索では、奥に進むにつれて高レベルの魔物が出現したが、【Ignorance】に【隠密】を重ねがけすることで、今のところは問題なく逃げおおすことが出来ている。
ただ……攻撃時は少し勝手が違った。
同レベルの相手だとステルス系のスキルが完全に通じることはなく、木槌を当てる瞬間、避けられるのだ。
だけど、僕のスキルレベルが上がると、効き目が再び復活したりもした。
結局のところ、僕のレベルと魔物のそれの間に、綱引きのような関係があるらしい。
──この二週間で盾亀、籠ネコ、ジャイアント・スクイラル、レンズ・カメレオン、機織り鶏などの魔物を狩った。
いずれもレベル1~3の魔物のばかり。
僕は危険を冒さず、少しずつ、成長していく道を選んだ。
戦利品として甲羅、カゴ、リス肉、レンズ、布などを入手。
甲羅の使い道に困っているが、それ以外は日々の生活に役立っている。
ちなみにレンズは太陽光を集めて、火を熾すのに便利だ。
おかげで昼であれば、出先でも焚き火が出来る。
この二週間で新たに始めたルーチンは、「野草の採集」と「日用品作り」。
「野草の採集」は、【鑑定】スキルの力に頼った。
【鑑定】で有毒の説明がないキノコ、柔らかくて食べられそうな草は何でも集めて口にした。
魔物のドロップ品と木の実だけでは、栄養が偏りそうだったからだ。
そして「日用品作り」では、蔓を使って籠を編んだり、ナイフで木を削って箸やコップやお皿を作った。
正直、自分の不器用さ加減だと、見た目がゴミか、前衛芸術のようなものしか作れない。
だが、下手の横好きで、こうした創作活動を楽しみながら細々と継続している。
上述のような野性味溢れる健康的な日々の甲斐あって、僕の身体はずいぶんと引き締まった。
《ジャミング症候群》、《ブサイク》、《ハゲ》、《小太り》、《無職》の五重苦のうち、一つを消せたわけだ。
ちなみに、今のステータスはこうだ。
【種族】人間 【レベル】2→4 ← 《 level up! 》
【職業】無職 【年齢】27歳 【生別】男
【名前】明日部 太郎
【生命力】50/50→100/100
【魔力】8/8→18/18
【力】8→18
【運動神経】6→10
【社会性】2
【想像力】2
【器用】4→8
【注意力】4→8
---コモンスキル---
【槌術(レベル1)】← 《 new! 》
【隠密(レベル1→2)】← 《 level up! 》
【気配感知(レベル1→2)】← 《 level up! 》
【暗視(レベル1→2)】← 《 level up! 》
---ユニークスキル---
【言語理解】
【鑑定(レベル1→2)】← 《 level up! 》
【Hate(レベル4→7)】← 《 level up! 》
【プレコックス感(レベル4→7)】← 《 level up! 》
【Ignorance(レベル4→7)】← 《 level up! 》
【AAP(レベル2)】
【SAS(レベル2)】
【EAS(レベル2)】
【EAL(レベル2)】
【OAC(レベル2)】
【HUP(レベル2)】
【NR(レベル2)】
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その他、スキル多数。
スキルレベルのアップによって、各種スキルの有効範囲や、強度などが少し上がった。
【Ignorance】に至っては、レベルが5を超えてから属性付与が可能になっている。
これで仲間に【Ignorance】をかけて、ステルス化させることも可能だ。
もっとも、ソロ活動専門の僕にとって、無用の長物ではあるのだが……
そして、待望の新たなスキル、【槌術】を獲得!
日々の型稽古の賜物だ。素直に嬉しい。
一方で、フェネックの餌付けについては、未だにうまくいっていない。
【Ignorance】や【隠密】を解除すると、彼らは蜘蛛の子を散らすように逃げていくのだ……。




