015 スキル確認1 ──何故かコモンスキルがない
漸く、僕の鈍い頭でも、事態がなんとく見えてきた。
ゲームや漫画で描かれるような、異世界に転生? ……あるいは、転移したということか?
改めてチュートリアル&指示用という、【神木の木盤】に目を向ける。
すると、【神木の木盤】に“──【神木の槌】を手に取れ”、という文字が浮かび上がった。
言われたとおり、【神木の槌】を手に取る。
それは、 “神木の” という大げさな修飾語に相反するような、小さな小さな木の槌だった。
柄の長さは20cmほど、頭部は10cmほどで、法廷で裁判長が叩いているような感じの代物だ。とても強力な武器には見えない。
【神木の木盤】を見ると“──体内に出し入れするイメージを”、と出た。
言われたとおり、“木槌が手のひらに吸い込まれる”ようなイメージを思い浮かべる。
すると、木槌がスッと手の中に消えた。
“出て来い!”、と念じると、木槌は手のひらに現れた。
柄の部分にはヒモが付いていて、ヒモの反対側は僕の手のひらの中へと繋がっている。
なるほど、これなら失くすことは無さそうだ。
つづいて、【神木の木盤】に目を向けると“──自身のステータスと、スキルを確認せよ”、との表示。
“ステータス!”と心の中で念じてみる。
すると予想通り、頭の中にRPGのステータス画面のようなウインドウが浮かび上がった。
頭に浮かんだ情報を確認すると──。
【種族】人間 【レベル】1
【職業】無職 【年齢】27歳 【生別】男
【名前】明日部 太郎
【生命力】35/35
【魔力】4/4
【力】4
【運動神経】2
【社会性】2
【想像力】2
【器用】2
【注意力】2
なるほど。
続いて、 “スキル!”と念じる。
なにやら膨大な量の文字情報が、頭の中に溢れるように浮かび上がって、一瞬焦る。
不安と動揺と興奮を抑えつつ、一つ一つ、確認してゆくことに……。
まずは……
──コモンスキル──
────
ん……? 表示されない……。
……まあ……。とりあえず次……
──ユニークスキル──
【言語理解】【鑑定】【Hate】【プレコックス感】【Ignorance】【AAP】【SAS】【EAS】【EAL】【OAC】【HUP】【NR】【NSUT】【SKBTUR】【GTTT】【HS6M】【HWOP】【FFU】【YNG】【BV】【FEI】【NOVA】【KKRA】【OONC】【LLD】【SSA】【2LP】【OC】【FLYD】【EIOX】【MGEI】【YTW】【UCZA】【JSA】【AA9】【OMG】【VJER9】【VBJ954T】【D0】【S9H】【LCW】【FVKJ85】【VNA】【WSKOB】【V8X5】【12K】【VB4SA】【GJ】【ZTO】【6LS】【VU1G】【HNOP】【PPP】【ODH】【NKS8】【LOOA】【GGW】【SSS】【JLM】【XCC】【SAQ】【EE3】【TUI8】【TUVE】【NOTE】【SPOR】【LIVE】【K9】【BLAC】【F89】【DHW】【PLX】【SJD】【DDD】【E7Y】【QWA】【ASC】【MMB】【LPU】【DQZ】CVB【BNM】MKL【LPO】【IUO】【UYT】【YGY】【TTR】【FTE】【RVEW】【EWW】【AZQ】【RF9】【FNM】【XCX】【LLN】【HYR】【1NN】【FHU】【MLD】【LWY】【GFY6R】【T8T8】【OOO】【LVV】【DGG】【CT】【NOA4】【HHH】【LBA】【BTA】【BBA】【JFE】【KT】【DW】【CC】【SET】【GOL】【KAN】【NECK】【SOR】【NIG】【MARE】【CAT】【DOG】【GLA】【SSES】【HAR】【POT】【VIR】【NON】【TIRE】【NTRR】【OKTS】【ASB】【SP9】【NET5】【GPU】【ACA】【JJ】【PoL】【3EE】【WWW】【L-R】【HXD】【DDD】【CHAT】【M1C】【BSEesp.W】………………………………………………その他多数
何故か、コモンスキルがない……。
だけど、圧倒的なユニークスキルの数々!
でも、【言語理解】と【鑑定】以外は、意味不明だ。
ひょっとして、もの凄いスキルを大量に所持しているのだろうか…………
期待と緊張で、僕の胸は高鳴った。