第889話:きらめき草
ただいまー
「お帰りなさい、リーゼロッテ様」
日程を聞いてきたんだよ!
やっぱり、他の国の王様とかが来るのには1月ほどかかるらしいんだよ。
で、その前に国内のお貴族様が来たらお祭りを開催するんだよ。
「では、何度もお祭りを開催するということですか?」
そうなるかな?
そんなわけで、しばらくはこの国にとどまる感じかな?
「まあ、別にどこに居てもやることは特に変わりませんしね?」
それじゃあ、予定通りに錬金術ギルドに行ってくるんだよ。
「いらっしゃいませ」
これなんだけど、買取って出来る?
「なんですか?この草は?」
きらめき草なんだよ?
「初めて見ました・・・」
冒険者ギルドでは買い取ってくれなかったんだよ・・・
「少々お待ちください」
奥の部屋に行っちゃったね。
そして戻ってきたかと思うと私も連行されたんだよ・・・
「これはどこで手に入れたの?」
名前は知らないけど、ドラゴンが住んでた山で採取したんだよ。
「どこなんですか?それは・・・」
グレイスはあの山の名前聞いてる?
「ごめんなさい、私も向こうの山としか聞いていませんでした・・・」
依頼を見つけてきたグレイスなら知ってるかと思ったけど・・・
冒険者ギルドで聞いてこようか?
「まあ、採取場所は後でいいわ。それよりも、この性能なんだけど本当なの?」
まだ私も使ったことが無いから何とも言えないんだよ。
それに、私のスキルは特殊な錬金系のスキルだから、参考にならないんだよ。
「なるほどね、これを試しに何かに組み込んで実験したいわね・・・」
そんなわけで、錬金術ギルドにも色々と実験の協力をお願いしたいんだよ。
「これはどれくらいの数を用意出来るの?」
今はそんなに数はないけど、私の農場で栽培を試してるから、
それがうまくいけば大量に手に入ると思うんだよ?
「すでにそこまで話が進んでいるのね・・・」
お姉さんならこれを何に使う?
「そうね、安らぎ草と合わせればMP回復効果が高まるのかしら?」
MP回復薬が欲しいの?
「MPを回復できる薬は貴重なのよ」
私のお薬はMPも回復するんだよ?
「これはきらめき草を使ったの?」
使ってないんだよ?
むしろ材料は普通の初級ポーションなんだよ。
「どういうこと?」
私のスキルのせいなんだよ。
そんなわけで、私の作るお薬はきらめき草の効果がわかりづらいと思うんだよ・・・
「使う前でこの性能じゃ、これ以上はどうなっちゃうのかしら・・・」
あんまり性能が上がっても人間が飲めなくなっちゃうんだよ。
現に、私のお薬を飲んで人間をやめちゃった人もいるしね・・・
「それはそれで興味があるけど、ちょっと怖いわね・・・」
あんまりおすすめはしないんだよ。
「とりあえずお試しで10束ちょうだい。代金が難しいわね・・・」
お試しで作ったお薬の性能を見てからでいいと思うんだよ。
「じゃあ、手付で金貨1枚。それ以外は結果を見てから判断するわ」
しばらくはこの街に居るから、そのうちに結果を聞きに来るんだよ。




