第857話:たい焼きを作るんだよ
おはようございます。いまだに添い寝禁止令は継続中なので、
枕担当のミロンだけが一緒に寝てるんだよ。
他の素材でこの感触を再現できたら、ものすごく売れる枕になると思うんだよ・・・
「ミロンの弾力を他で再現するのは無理」
本人はそう言ってるけど、きっとどうにかなる日が来ると信じてるんだよ!
仮に、そんな枕が出来たとしても、私の枕はミロンだから安心してほしいんだよ。
「いくらミロンでも本職の枕にはかなわないかも・・・」
まあ、それはそれとして、朝ご飯なんだよ!
「おはようございます、リーゼロッテ様」
おはよう、ジブリール。
今朝はおにぎりが食べたいんだよ。梅干しの。梅干しはカリカリのやつで種を取っておいてほしいんだよ。
「珍しいですね・・・」
昨日は甘いものを食べすぎたからさっぱりしたのがいいんだよ。
「そういうことですか・・・」
状態異常だったらお薬で治るんだけど、こういう気持ち的な奴はダメなんだよ・・・
「確かに状態異常ではありませんものね・・・」
気分がさっぱりするようなお薬は出来ないかな?
「ある意味ちょっと危険な薬かもしれないですね・・・」
何て言うの?状態異常じゃなくて精神異常?違うな、気分異常回復?
「ベリー様に頼んで調べてもらいますか?」
ベリーはお薬が専門じゃないからね。オリビアさんやイザベラさんのほうが詳しいかもしれないんだよ。
「はい、カリカリ梅のおにぎりとネギのお味噌汁です。付け合わせにはたくあんでよろしいですか?」
今日は梅干しがすっぱいからたくあんはいらないんだよ。
もぐもぐ・・・うわぁ、ヤッパリすっぱいんだよ><
「なんでミロンのも梅干し!?」
ミロンはお口が『*』になってるね。ヤッパリ顔がキューってなっちゃうんだよ・・・おいしんだけどね。
「リーゼ様、例のものが出来上がったよ」
ん?レイチェルの剣は素材が足りないんじゃなかったの?
「うん、あれはリズ様やシオンが素材を取ってきてくれるのを待たなきゃだが・・・」
他に何か頼んでたっけ?
「そう言えば、直接リーゼ様に頼まれたわけじゃなかったな・・・コレだ!」
金属の板だね?
「これは折りたたまれた状態だけどこれを広げると・・・」
ああ!鯛の絵なんだよ!もしかしてたい焼きの型?
「そのとおりだ!そして、これがリーゼ様のために改良した・・・」
猫なんだよ!猫焼きが作れるんだよ!
「ちなみにブリもあるよ」
鰤焼きは冗談だったんだよ・・・でも、ありがとう!
これはさっそく作ってみるんだよ!
中身は普通の餡子のにして、生地はどら焼きと同じ感じでいいのかな?
「基本的には同じ生地でも大丈夫なようです」
じゃあ、どら焼きの魔法で生地の元だけ作って・・・
「魔法を途中で止められるのですか!?」
あれ?もしかしてふつうは途中で止まらない?
まあ、魔法と言いつつも精霊さんにお願いしてるだけだからね。
よし、ダマも無くサラッとした感じに出来上がったんだよ!
これを型に流し込んで・・・餡子はいつ入れるの?
「型に生地の元を半分入れて、餡子を入れてから生地の元をかけるそうです」
えー?すでに生地で型が埋まってるんだよ・・・
スプーンですくって生地の元を減らして餡子を乗せる。
これにまた生地の元をかけるの?
「あとはフタをして火にかけて、頃合いを見計らってひっくり返して反対側を焼くそうです」
その加減が難しいんだよ・・・
なんかちょうどいい感じの時間を計ることってできないかな?
「ああ、それでしたらありますよ?」
本当!さすがはジブリールなんだよ!どんな魔道具?私でも使える?
「魔道具ではありません。雑貨屋に売ってます」
そういって、ジブリールが真ん中がくびれたガラスの瓶を見せてくれた。
なにこれ?中に黄色い砂が入ってるんだよ?
「砂時計です。これはゆで卵をゆでる時間を計るものです」
そういって、砂時計をひっくり返す。
瓶の中で上から下に砂が落ちる。
「この砂が全部落ち切った時が中身がしっかりと固まったゆで卵ができる時間です」
じゃあ、半熟のは?
「こちらの砂時計を使用します」
もしかして料理の種類分だけ砂時計がある感じ?
「料理の種類だけというわけでもありませんが、それなりの数はあります」
なるほど。で、たい焼きはどれを使えばいいの?
「これから作ります」
ああ、そうか。まだたい焼きは作ったことがないからね・・・
これから時間を計って砂の量を決めるんだね?
「そういうことです」
こんな便利なものがあったなんて・・・




