第005話:レベルやステータスは最低ライン
確認は石板に手を置くだけ。
受付のグレイスさんが差し出した石板に手をのせるとボワッと光った。
石板に何やら文字が浮かび上がる。
名前:
種族:不明(このギルド支部には登録のない種族です)
年齢:10
職業:無職
ランク:G
レベル:1
HP:10
MP:10
ちから:1
すばやさ:1
かしこさ:1
きようさ:1
経験値:0
次のレベルまで:1,793,312,458
これがステータス。
良かった10歳だ。ギルドに登録できる。
まずは最初のハードルをクリアした。
私が喜んでいると、他のみんなはびっくりしてる。
「なあ、ちょっと低すぎないか?石板の調子がおかしいんじゃねえか?」
どうやら値が低いようだ。子供だから低くて当たり前だと思う。
多分大人である自分を基準にしてるんだろう。
とはいっても、さすがに全部1というのが変なのかな?
「名前や種族も変じゃねえか?」
名前は空欄だし、種族も不明になっている。
でも、種族についてはこのギルド支部で登録のない種族ってだけだから、
他の支部に行けば登録されているところもあるのでは?
「たしかに、ちょっと確認しますね」
そういってグレイスさんが自分の手を石板に乗せる。
名前:グレイス
種族:人間
年齢:17
職業:ギルド職員
ランク:E
レベル:6
HP:130
MP:200
ちから:24
すばやさ:15
かしこさ:51
きようさ:14
経験値:3148
次のレベルまで:3152
「特に問題なさそうですね」
だとすると、私のステータスもあれが正しい値?
結局名無しのまま?
これだと冒険者になるのも絶望的かな?
うなだれていると、冒険者の1人が何かに気付いたみたい。
「おーい、ニニア、ちょっとこれ見てくれ」
ニニアと呼ばれたエルフのお姉さんがやってくる。
私の髪をかき上げ耳を確認する。
自分でも触ってみたからわかってる。
エルフみたいに尖ってるんだ。でも種族が判別しなかったから、
私はエルフではないんだよね?
「エルフじゃないとしても妖精族じゃないかと思うんだが、どうだ?」
ギルドの支部長がニニアさんに尋ねる。
「うーん、エルフだったら金の髪だしね。白い髪に白い肌で赤い瞳。知らないなぁ」
自分では別に種族とか気にしないんだけど、みんなは気になるみたい。
「うちの長老なら何か知ってるかもしれないけど、妖精とも魔族とも違うような・・・」
ああ、そうか。人間に害をなす種族かもしれないと思ったのか。
そうだったとしても、私にはそんなつもりは全くないんだけどね。
まあ、突然記憶が戻って暴れだすという可能性も無きにしも非ず・・・
って、このステータスなら取り押さえるのも楽勝だろう。
おそらく私よりも弱い存在はいないと思う。
それほど気にすることもないと思うけどね。
それにしても、次のレベルまでが凄いことになってる。
何桁あるの?これっておそらく絶望的な数値だよね?
一生レベル1のままなのかな?