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白と黒  作者: 更科灰音
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第052話:お買物しよう

目が覚めると爽やかな朝だった。

今日は一人で寝ていた。みんな自分のベッドで寝ている。

私が一番早起きなようだ。尤も一番早く寝ちゃうんだけどね・・・

天気もいいし、お買い物日和だよね。

みんなが起きてきたし、軽く朝ご飯を食べて買い物に出発。


具体的に場所がわかるのは服屋かな?

他のはお店を探すところから始めないとダメな予感。

まずは服屋に向かって、道中でお店を探す感じ?

リリス案内よろしく。

「お任せくださいですの。ご主人様」

さすがに王都で暮らしてただけあって、道を尋ねるのが旨い・・・

どういうこと?リリスここに住んでたんでしょ?

「基本的に教会から外に出ませんでしたの」

あ、教会のエライ人だから外出も少ないのかな?

修道女とかが何でもやってくれる的な?

「でも、それなりに地理は詳しいですの」

でも、知識が偏ってそうだよね。そんな気がしました。


そうこうやっているうちに服屋に到着。

あれ?ここは仕立屋?時間かかるよね?明日にはコモンズに帰るんだよ?

「うーん、今まで服は作って貰うものだったから、知らなかったんですの」

なるほど、金持ちはこれだから・・・

ニニアさんが完成品の服を売っている店を探してくれた。

「選んであげるからこっちに来なさい」

リリスを連れてニニアさんが居なくなってしまったので、

私はリズと一緒に服を見て回る。

うーん、これなんかどうかな?

「猫っぽいのじゃ」

フードに耳が付いてるからね。

ポケットも多いし、気に入りました!

お姉さん、これいくら?

「それは銀貨5枚よ」

これって安いの?高いの?

相場がわかんないなぁ。


「ご主人様、見て欲しいんですの!」

そこにはかわいく着飾ったリリスが微笑んでいた。

かわいいと思います。フードに耳は付いてないけど、

リボンがあしらってあるのがかわいいと思います。

思わず拍手していた。

ぱちぱちぱち


「じゃあ、これで決まりね」

ニニアさんが店員さんに言ってお金を払う。銀貨32枚だった。

「我が主のそれも買うのじゃろ?」

リズが私の手から服を取り上げて店員に渡した。

お金はリズが払っている。

ダメ!これは私がお金払うの!

そう言って自分の巾着からお金を払って、

リズにお金を返した。


リリスはさっそく今買った服に着替えている。

さっきまで来ていた修道女の服は予備として私がアイテムボックスにしまった。

次は錬金術のお店!というか、道具とか材料とか売ってる方ね。

錬金術の工房にはそういうのは売ってないから・・・

こういうお店はやっぱりギルドの近くにあるみたい。


おおー!これ、これだよ!透明なやつ!

「色々な種類があるのね」

カインズさんのお店には1種類しかなかったけど、

ここには様々な大きさのビーカーが陳列されている。

「我が主はどれが欲しいんじゃ?」

あれ?

ふと思ったんだけど、これって手持ちの取っ手がないよね・・・

火から降ろすときどうするんだろう?アチアチだよね?

店員さんが説明してくれた。

「この道具の上にのせて下からランプであぶるのよ?」

ああ、そう言えばディジィばあちゃんの工房でも見たことある!

火から降ろすんじゃなくて、火の方をどかすんだよね。

「我が主は本当に錬金術師なのかや?」

初級ポーションしか作れないけど、錬金術師ですぅ。

ああ、見てるとどれもこれも欲しくなっちゃう。

でも、たぶん使わないんだよね・・・

というよりも必要ないんだよね。


これこれ、石臼。これも欲しかったんだよね。

自分でゴリゴリやるよりも細かく出来る。

細かい方が成分の抽出にも良い気がする。

でも、高いなぁ。銀貨50枚かぁ。


迷っちゃって何も買えなかった。


◇ ◇ ◇ ◇


「我が主はどうして何も買わなかったんじゃ?」

お金がないときはそれを目標に頑張れたけど、

実際買えるだけの金額を手にしたら、欲しいものが増えて、

もう少し我慢すればあれも買えるとか、考えて頭がグルグルしちゃったのよ。

「難儀な性格じゃのう」

さっきの服の時も多分そうよ。

今まで銅貨数枚の値段の生活だったから、

何もかもが高くて買うのが怖いんじゃないかな?

あたしだって、駆け出しの頃はそうだったもん。

「そう言えば、金がなくて死にかけたと聞いたのじゃ」

ああ、簀巻きにお金を巻き上げられたんだっけ?

あの簀巻きは王都に居るのよね?

「ご主人様からお金を巻き上げたんですの・・・」

リリスの顔が真っ青になった。

ある意味リリスも同罪なのかもね。

偽金貨を掴ませたんだから。

「ちょっとお金取ってきますの!」

それは枢機卿としてのお金でしょ?

今のあんたが取りに行ったら捕まるわ。

「じゃ、じゃあその簀巻きとやら捕まえてきますの!」

それも無理じゃない?

だって勇者よ?

「シオンですの?」

そう、勇者シオン。

「ご主人様が欲しがってたものを買ってきますの!」

まあ、それはそれで良いかもしれないけどね・・・

すでにリリスの姿は跡形もなかった。

すぐに荷物を抱えたリリスが戻ってくる。


それよりそろそろお昼ご飯の時間ね。

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