第520話:槍聖本戦お昼休憩
「午前の試合は以上で終了です」
お昼を挟んで午後に2試合。明日は準決勝と決勝なんだよ!
「3位決定戦もあるのだ。まあクレープちゃんが負けるとも思えないのだ・・・」
明日の相手はあの動きが変な小さい人なんだよ。
さっきのゴンザレス選手もあれだけやって全然当たらなかったし・・・
「多分、クレープちゃんなら楽勝だと思うよ?」
シオンはキャンディ選手の動きが見えてるの?
「見えないけど、どうにか出来るよ」
出来るんだ・・・
お昼はユーハがお蕎麦を作ってくれることになってるけど、王様たちも食べにいく?
「それは是非ともご一緒したい!」
みんなでお蕎麦を食べることになりました。
チリンチリン
ガチャ
「おかえりなさいませ、リーゼロッテ様」
ただいま、ジブリール。
「お蕎麦の用意が出来ています」
当たり前のようにみんなの分もあるんだよ。
そうだ、ヤヨイさんを呼んで。
せっかく王様がいるんだし、ちょっと相談してみるんだよ。
食堂に移動してみんな適当に座席に着く。
私はヤヨイさんと一緒に王様と同じテーブルに座る。
「陛下、こちらが今年の会計と納税額の試算になります」
陛下は書類を受け取ると、ヤヨイさんの顔と書類そして私の顔をチラ見した。
「なんじゃこりゃ?」
去年よりも納税額が増えてるからね。
「魔女殿よ、この街では民衆から徴税はしていないとのことだったはずだが?」
税金はタダにしたんだよ?
それは私のお店の売り上げとかなんだよ。
「これ、昨年の国家予算とほぼ同額なんだが・・・」
え?
「元々、コモンズだった時代にもダンジョンのおかげで納税額は多かった」
そうなんだ。
「しかし、これは異常な額だな。宰相と検討しよう」
お願いなんだよ。私は別にこのままでも問題無いけど・・・
「魔女殿の風呂屋は貴族の間でも有名だからな。皆予約が取れないと嘆いている・・・」
お水が重要だから他の街では作れないんだよ。
お風呂屋さんの拡張を検討した方が良いのかな?
「お待たせしました」
ユーハがお蕎麦を持って来てくれたんだよ。
「普通のもり蕎麦ですな・・・」
でも、作ったのはユーハなんだよ。
「神の作りし蕎麦・・・」
帝さんは感動してるんだよ。
「普通のもり蕎麦なのに心が洗われるような味わいだ・・・」
そうなんだよ。具材とか何もなくてもすごく美味しいんだよ!
「蕎麦王を超えた蕎麦神ということか・・・」
王様も納得してるけど、ユーハは別にお蕎麦の神様ってわけじゃ無いんだよ?
「それにしても、さっきちょっと聞こえたが、エリュシオンはすでに国として独立しても良いと思うのだ」
え?
それだと私が王様になるの?
そもそも独立なんて出来るの?
「周りにあるいくつかの国が独立を認めれば正式に国として承認されます」
ジブリールが教えてくれたんだよ。
でも、別に独立する意味なんてないんだよ?
「税金を納めなくて良くなるのだ」
でも、他の街に行くときに国境が出来ちゃうんだよ。
移動が面倒になるんだよ・・・
「本人はゲートでどこでも移動し放題なのに、住民のことを考えるとは流石だな・・・」
リズに乗って飛んで行くこともあるからね。
国境があるといちいち降りて通過しないといけないんだよ。
それにお客さんも来るのが大変になっちゃうよね?
「今でも魔導車で他の国と繋がっているのだ。それほど問題では無いと思うのだ」
そうかな?
でも、私が王様になるとヤヨイさんが宰相さんになるのかな?
「そんな、とても私には務まりません!」
そんなことないと思うんだよ?
でも、街がひとつしかなくて国を名乗って良いものなの?
「周りの領地はザッハトルテの国であるしな」
それに領地は増やそうと思っても増やすことが出来ないんだよ。
「わしに遠慮しているのか?」
王様が尋ねてくるけど、そういうことじゃないんだよ。
新しく別の場所に街を作っても、そこではアトリエもお風呂屋さんも作れないんだよ。
なんせ水が違うからね。
「そうか・・・祝福の泉の水の制限か・・・」
だから、今のままでいいと思うんだよ?
「そうすると、王都に魔女殿の店の支店を作ることも不可能なわけか・・・」
祝福のお水じゃないと美肌効果とかは期待出来ないんだよ?
「でも、あのお風呂はリーゼロッテ様のお薬を混ぜているのですよね?」
あれ?それだと普通のお水でも大丈夫なのかな?今度試してみる?
「是非とも頼む!」
帝さんがお願いして来たんだよ・・・
「話の流れから察するに、良い水があるところならリーゼロッテ様の店の支店が出店出来ると判断した」
まだ分からないんだよ。
それに早々祝福の泉と同じようなお水は無いと思うんだよ。
「あるのだ!イオの街に!」
あ。そうだった。ユーハのお店で使ってた水は祝福の水よりも良い水だったんだよ。
「そうすると、イオの街に魔女殿が引っ越す可能性も!?」
うーん、ダンジョンって持っていけるの?
「そんな条件もあるのか・・・」
帝さんががっかりしてるんだよ・・・
私は領主である前にダンジョンマスターだからね。
自由に出歩いているからみんな忘れてるかも知れないけど。




