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白と黒  作者: 更科灰音
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第038話:出発準備

そういうわけで、カインズさんのお店にやってきました!

適当な店員さんにお願いしてカインズさんを呼んで貰う。

「これはこれはお久しぶり」

お店には何回か来てたけど、いつも会えなかったからね。

実際に会うのは久しぶりだ。

「さて、本日はどのようなご用件で?」

リズ、見せてあげて。

「これの処分を考えておるのじゃ」

そう言いながら、1枚だけ金貨を取り出す。

カインズさんは手袋をはめて金貨を持ち、

じっくりと細部まで見つめる。

「これはとても古い金貨ですね、私どもでは買い取りはできかねます」

カインズさんでもダメなんだね。

「買い取った後に売る相手が居ないのですよ」

そうか、グランツさんはどうするんだろう。

「おそらく、王都でなら捌けるとは思いますが・・・」


あのね、王都に行こうと思ってるんだけど、

向こうには誰も知り合いがいないから、信頼できる商人を紹介して欲しいんだ。

騙されたくないからね。

「それでしたら、明日から王都へ仕入れに行く予定だったので一緒に行きますか?」

おお、ちょうどいい。一緒に行こう。

「ちょっと待って、それって護衛の依頼はギルドに出してる?」

カインズさんが目をそらした。

「依頼はランクE以上で出したのですよ・・・」

私とリズはランクGだ。でも、ニニアさんはランクCだ。

この場合はどうなるんだろう?

「ランクCのパーティーとして扱われるのよ」

じゃあ、依頼として受けられるの?


ちょっとグレイスさんのところ行ってくる!

急いでギルドに向かう、依頼が残ってることを祈って。

依頼なら馬車代がいらなくてしかも報酬が出る。

そうでないと交通費が自腹になっちゃう。


バターン!

勢いよくドアを開けてギルドに乗り込む。

依頼が貼ってあるのは右側の壁。

ゴブリン討伐、オーク討伐、ゴブリン討伐、無いなぁ。

「我が主よそっちは討伐依頼だけなのじゃ」

内容ごとに場所が違うんだ。

採取コーナー、探索コーナー

「これじゃない?」

ニニアさんがひょいっと依頼書をはがす。

その他のコーナーにあった。

窓口のグレイスさんのもとへ!

「この依頼?ランクが足りないからリーゼちゃんにはできないわよ?」

えー?ダメなの?

「パーティーで受けるから大丈夫でしょ?」

ニニアさんが確認してくれた。

「それなら大丈夫ね、ハイ受付完了!」

相変わらずグレイスさんの処理は速い。

よーし、再びカインズさんのお店に!


そう言うわけで、依頼を受けてきました。

「それでは、改めて依頼内容を確認しよう」


ーー通常クエストーー

依頼内容:荷馬車護衛

ランク指定:E以上

報酬金額:一日金貨1枚

詳細内容:王都までの荷馬車の護衛。収納魔法持ち優遇。


一日金貨1枚。これって3人で1枚?

「ああ、パーティーで1枚ということだよ、何人でも1枚だ」

収納魔法もあるよ。

「妾はバスケットが使える。葡萄酒の樽3個くらいなら入るのじゃ」

リズも収納できるんだよね。

「それは素晴らしい。余分に荷物が持っていけますね」

リズの収納は樽3個くらいなの?それともわざと少なめに申告しているの?

「普通は、収納魔法の使い手と言っても背嚢一個分程度ですから、樽3つなんて初めて聞きましたよ」

そう言えば酒屋のおっちゃんも魔導師で樽1個分って言ってたね。

ニニアさんに確認しよう。

(ひそひそ)私のアイテムボックスのことも教えた方がいいのかな?

「(ひそひそ)どうせ道中でバレるから最初に教えた方がいいかもね?」

そうだよね。お弁当とか入れてあるし、今回もいっぱい持っていく予定だし。


私もアイテムボックスが使えるよ。

「それはどれくらい入るのですか?」

荷馬車1台分くらいしか入れたことないけど、たぶんもっと入ると思うよ。

カインズさんが腰を抜かした・・・


「すみません、出発を延ばしてもよいでしょうか?」

私は別にいいけど・・・

「今回スペースの関係で持っていくのを諦めたものがあるので・・・」

ああ、私が予想外に荷物を持てるから、それを持っていくんだね。

「その場合、追加料金はいくらになりますか?」

ニニアさんが抜け目なく確認する。こういうところがランクCなのかな?

私は全く気付かなかったよ。

「荷馬車を調達するのと同じだけの金額を払いましょう」

まずはどれだけ入るかだよね。自分でも知らないし。

「それでは実際に収納できた荷物の量でお支払いします」


「ちなみに、密輸はしないからね。王都に持ち込むときの税も考えてよ?」

え?王都に入るのにお金がかかるの?

それに荷物持ち込むのにも?

「冒険者は別なのよ。そうしないと遺跡やダンジョンから戦利品が持ち込めないし」

なるほど、あくまでも商人として行商する場合なんだ。


「それでは、出発の準備をいたしますので、皆さんも準備の方お願いします」

カインズさんは荷物の整理で忙しそうなので、いったん解散した。

明日の朝に出発の予定が、明日の昼過ぎに出発に変更になった。

それまでに私たちも準備しよう。


馬車で7日かかるんだよね?

ご飯とか寝るところはどうするの?

冒険者の大先輩であるニニアさんに教えを乞う。

「普通は食事は依頼主が用意するのよ。でも当然保存食ね」

なるほど、温かいスープとかは持って行った方がいいね。

「それと寝るときは野営だと思うわ。道中に村があればそこで宿を取ることもあるけど」

野営ってことはテント?寝袋とかも必要?持ってないよ?

「夜は結構寒いから寝袋はあった方がいいかもね?」

護衛だから見張りとかもしなきゃいけないんだよね?


「後はたき火用の薪とかも必要かな?」

近くの森で採ってくるの?

「乾燥している木じゃないと燃えないのよ」

じゃあ、どうするの?

「売ってる薪を買うのよ。自分で作れないこともないけど、乾燥には時間がかかるの」

明日までにはできないということね。

「依頼主が用意している場合もあるけどね。商人だとわからないわ」

わからないなら、一応準備しておこう。

他に必要なものは?

「道中で盗賊が襲ってくるかもしれないわ。その時のための護衛なんだし」

そうだよね、安全なら護衛はいらない。

「まあ、盗賊程度なら相手にならんと思うんじゃが、念のため我が主は隠れていると良いのじゃ」


露天で色々と好きなものを買って、準備完了。

一応、王都までの道中は護衛だけど、王都滞在中は自由時間らしい。

王都でやることを確認しておく。


・私のぼろきれの情報を調べる。

・リズの金貨を買い取ってもらう。

・私の呪いについて調べてもらう。


まずはギルドなのかな?

王都のギルド支部はこの街のとは比べ物にならないほど大きいって言ってた。

そこで、聞き込みをしよう。

金貨の相場とか、ぼろきれの情報とか、私の情報とか、呪いの情報とか・・・

王都の教会、大聖堂なら呪いが解けるかもしれない。

値段がどれくらいかかるかはわからないけど、

せめて呪いの解除ができるかできないかの確認はしたい。

まあ、呪いは解けなくてもいいけどね。今でもどうにかなってるし。

「金貨はギルドよりも商人じゃろう?」

とりあえず、カインズさんの紹介してくれる商人さん以外は止めておこう。


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