表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白と黒  作者: 更科灰音
21/1097

第020話:初めてのダンジョン

やってきました東門。

この門をくぐればいよいよダンジョンだ。

このダンジョンは正式には「黒龍のダンジョン」と呼ばれている。

すでに退治されたらしいけど、昔はドラゴンがいたらしい。


ダンジョンの入り口に入ると、そこは自然の洞窟だった。

洞窟の壁がぼんやりと光ってる。

足元もゴツゴツしていて歩きにくい。転ばないように気を付けよう。


「ところで武器はどうした?」

アレンさんの質問はごもっともです。

ダンジョンに行くのに武装なしとか、

馬鹿にしていると思われても仕方ありません。

武器は重くて振り回せないので諦めました。

ちなみに同じような理由で防具もありません。

戦闘になったら本当に何もできません。

足手まといにならないように端っこに居ます。


目的地は近かった。

ダンジョンに入って30分ほどで泉に到着。

ここまでに魔物との遭遇はなし。

運が良いのかな?呪いがあるからそんなはずはないんだけど。

そもそも1階ではほとんど魔物は出てこないらしい。

これなら1人でも大丈夫かな?ここまで分岐もなかったし。


もしかして、泉の中って魔物いる?

「大丈夫よ。いないわ」

念のためニニアさんに確認する。

水を汲みに行って魔物にパクリは勘弁してもらいたいし。

アイテムボックスから桶を取り出して水を汲んでみる。

見ただけじゃまだ品質まではわからない。

コップに注いでアイテムボックスで鑑定。


名前:コップに入った水

品質:高品質

説明:コップに入ったきれいな水。黒龍のダンジョン第1階層で採取。


あれ?いきなり高品質の水だ。もう目的達成?

これはこれで樽に保存しておこう。

桶で十数回水を汲んで樽を満たす。

樽をアイテムボックスにしまうと表示が変わった。

今までアイテムボックスに入っていた樽が、

「水の入った樽」から「街の井戸水の入った樽」に変化した。

ちなみに、今入れた樽は「ダンジョン第1階層の泉の水の入った樽」だ。

名前が長い。でも、「水が入った樽」だと区別がつかないもんね。


他には泉ってないの?

「もっと下の階層にもあるけど、1階層目だとここだけだな」

ん?なんかムズムズする。あっちの方から怖い感じがする。

「何かしら?」

ニニアさんが索敵魔法を使う。

「風の精霊よ、我に徒なすものの気配を知らせよ!サーチエネミー!」

小さな声で呪文を唱えると、光の波紋のようなものが広がった。

「あー。確かにスライムがいるわね」

初めての魔物!

「どうやってわかった?」

わかんないけどムズムズした。

「野生の感かよ?だが信頼できそうだ!」


ムズムズする方に向かっていくと、

両手で抱えるほどの大きさのプヨッとした透明の塊が現れた。

これがスライム。


「スライムは炎の魔法が苦手よ」

ニニアさんが弱点を教えてくれる。

炎の魔法ならできるよ!

2人に見守られながら魔法を使う。えい!

じゅ

スライムをほんのり暖めた。


「ショボっ」

アレンさんは呆れてるけど、ニニアさんがびっくりしてる。

「ねえ、呪文の詠唱と発動コマンドは?」

え?そんなの必要なの?教えてもらってないよ?

確かにニニアさんもさっきは呪文を唱えていた。

「何で詠唱もコマンドもなしに発動するの?あなた何者?」

そう言われましても記憶がないので自分でもさっぱり。


「今のってファイアボールよね?」

まあ、確かにそうなんですけど、見ての通りです。

「今度は詠唱してみて。教えてあげるから」

炎の精霊よ、我が敵に汝の力を見せつけよ!ファイアボール!

ヒュゴッ!

ジュオ!ズガァン!

スライムを倒した。


ニニアさんに教えてもらったとおりに詠唱してみると、

威力が桁違いだった。びっくりした。

なんて言うか魔法っぽかった。

今の本当に私がやったの?

「いやいや、スゴイじゃん!普通に使えてるよ」

ニニアさんが褒めてくれた。

でも、なんだか眠くなってきたかも・・・

すやぁ


◇ ◇ ◇ ◇


「おいおい、寝ちゃったぞ?」

リーゼちゃんがいきなり眠っちゃった。

もしかして魔力切れ?ファイアボール一発で?

そう言えば、この子のステータスって全部1だっけ?

MPは確か10。ファイアボールの使用魔力は15。足りないじゃん。

それが分かってたから詠唱とか教えてもらえなかったのか。


魔力切れで寝ちゃったみたい、アレンその子背負って。

「戻るのか?」

ここからなら、2階層の回復の泉が近いかも。

元々、泉の水が目的だったんだし。

「じゃあ、降りるか」


下への階段はすぐそば。

そして目的の泉も降りてすぐ。

さてどうやって飲ませるかな?

寝ちゃってるからなぁ。

ほっぺを突いていたら目を覚ました。

自然回復したのかな?

MP10だしね。

一応水も飲んでもらおう。

「このお水スゴイねぇ。冷たいのに、ぽわぁっとする」

この子って色々な感覚が優れてるのかしら?

何度も飲んだけど、そんなこと感じたことない。

エルフのこの私でも。

十分スカウトとしてやっていけそうだけど、

何で試験に落ちたのかしら?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ