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白と黒  作者: 更科灰音
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第201話:アンナの修行

リーゼ様、おはようございます。

「おはよう、アンナ」

本日からしばらく王都で修行をして参ります。

「クレープ楽しみなんだよ!」


リーゼ様はクレープだけで良いとおっしゃいましたが、

王都には他にも色々なデザートがありました。

それらをなるべく再現して、さらにリーゼ様の好みにアレンジできるようにします。

アレンジのためにはまず基本を完璧にマスターしないといけませんからね。


王都までは普通なら馬車で何日もかかるのですが、

先日皆さんで作ったゲートを使えば一瞬で到着します。

本来なら、馬車の代金や道中の宿代などで金貨2枚ほどかかるらしいのですが、

ゲートを使えばタダです。

金貨2枚と言えば、私なら二ヶ月は暮らせます。

しかもお屋敷に住み込みではなく、自分で宿を借りた場合の話です。

お屋敷に住み込みの今なら何年かは過ごせる金額です。


もっとも、このゲートが国宝級とか神話級とかそう言う代物らしいのですが・・・

リーゼ様にとっては『みんなで材料を集めたからそれほどでもないんだよ』とのことでした。

このゲートを誰でも使えるようになると便利ですよね?

馬車の旅も良いのですが、お尻が痛くなりますし。

料金を取ってゲートを使えるようにするというのはどうでしょう?

馬車よりも高い金額でも支払う人はいると思います。

もっとも、リーゼ様はお金儲けには興味が無いみたいですけど。


さて、ゲートですけど、コモンズ側はリーゼ様のお屋敷の地下にドアがありますが、

王都側の出口はなんと王宮の地下なのです。

なので、ここは王宮なのです。

王宮側の出口には見張りの兵士さんが居ます。

「いらっしゃいませ、アンナ様」

私ごときに様を付けなくても良いですよ?

ごく普通のメイドですし。

「ご案内します」

兵士さんに案内されて王宮の外にやって来ました。


王様に紹介状を貰っているので、どこのお店でも修行が可能です。

今日は色々なお店を回って、味の確認をします。

私が美味しいと感じたお店、そしてリーゼ様の好みの味のお店。

お店によって味も結構違います。

薄い生地にクリームと具材を乗せた一見シンプルな料理です。

しかし、そのクリームと具材の組み合わせで味は無限の可能性を秘めています。


まずは匂いですね。良い匂いも美味しさの要素の一つです。

あ、ここはもしかしてリーゼ様が言ってたパイナップルのクレープ?

リズ様も絶賛していたはず、味見してみましょう。

すみません、パイナップルのクレープを一つください。

「銅貨30枚になります」


これは!甘いだけでなく酸味もあってものすごく深い味わいです。

それだけじゃなくて、生地の厚みや焼き加減も素晴らしいです。

この露天、中央通りに店舗を出店していてもおかしくない味です。


すみません、お願いがあるのですが、よろしいでしょうか?

そう言って、王様から貰った紹介状を渡します。

「これは?」

露店のお兄さんがびっくりしてます。

「俺の店はタダの露店だぜ?」

でも、私のご主人様が絶賛していました。

たぶんこの露店だと思います。

「お嬢ちゃん、もしかして貴族様のメイドか何かなのかい?」


貴族ではありませんが、素晴らしいお方です。

真っ白で小さくてカワイイお方です。

「おお、見たことあるぜ。ダークエルフの嬢ちゃんともう何人か居たかな?」

間違いありません、リーゼ様とリズ様です。

もう何人かというのがヨナ様と皇帝陛下のことでしょう。


そう言うわけで、このお店でクレープの修行をさせていただきたいのです。

代金もお支払い致します。

「代金は別に要らないけど、もっと高級の店とかじゃなくて良いのかい?」

この店が良いのです。この味を再現できるようになりたいのです。

ご主人様が気に入ったこのお店の味。


「でも、見てのとおり、この露店は俺1人でやってるんだ」

仕込から後片付けまで一通り教えていただきたいのです。

「でもよ、クレープなんて生地を作って焼いて具を乗せるだけだぜ?」

それでも、生地の配合とか色々とあると思います。

「そうだな、今日はもう生地の仕込は終わってるから、焼き方を教えてやるよ」

まずはお手本に焼いてくれました。

生地の素が入ったボウルから、お玉で1杯分を丸い鉄板の上にのせて拡げる。

たったそれだけの動作。

私も真似をしてやってみました。

出来上がったものは見た目だけで言えばお手本とそっくり。

でも、食べてみるとあまりにも味が違う。

生地の量はお玉1杯だから変わらないはず。

それとも生地の伸ばし方とか、焼き時間とか・・・


「まずは生地を均一にのばす練習だな」

ジグさん、店長さんはお玉の底で簡単に伸ばしていますけど・・・

これ結構難しいです。

へらのようなものを使えば簡単にできそうですけど・・・

それでは技術は向上しませんよね?

ジグさんと同じ技術を取得しないと!


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