第177話:戻り方は考えてなかった
リズ、勇者が王都に帰るときに使ってたのは?
「わらわが居た部屋にあったはずなのじゃ」
じゃあ、それはもう使えないね。前のダンジョンと一緒に消えちゃったし。
そうするとあれと同じようなのをもう一つ作るの?
でも、王都の座標が分からないんだよ。
誰か王都の座標分かる?
誰かって言うか、私がもう一度王都に行かないとダメなのかな?
座標を調べられないよね?
もう少し使いやすくならないかな?
でも、簡単にそんな便利なものが作れたら、
泥棒し放題になっちゃうし、やっぱり無理なのかな?
王都側の出口はどこが良いのかな?
いきなり謁見の間とかじゃまずいわけだよね?
「当然、地下遺跡のどこかにするべきですね」
前はどこに出口があったのかな?
コモンズ側も出口には何も無かったよね?
てっきり、対になる魔法陣とかあると思ったんだよ・・・
「出口に魔法陣があると待ち伏せされるからじゃないでしょうか?」
ルーシーの言うことも尤もなんだよ。
コモンズ側の出口と王都へのゲートの設置場所はどこにしようか?
ダンジョンの中にしちゃう?それとも私のおうちの地下室とか?
「魔女様のお屋敷なら、安全ではないでしょうか?」
そうかな?ダンジョンの方が安全な気もするけど。
まあ、ダンジョンとは言っても閉鎖区域にするから、
私が居ないとどこにも出られないんだけどね?
あ、もしかしてダンジョンだと座標が分からないかな?
地下室の用意はまだ出来ないから、
とりあえずはお庭で良いかな?
準備が出来たら修正すれば良いと思うんだよ。
親方に頼んで、ゲート部屋を作って貰うんだよ。
その前に、1149-5587-201の場所をもう一度確認するんだよ。
王都にあったのと同じ魔法陣を私の家のお庭に描けば、
さっきの森の中に出るはずなんだよ。
ルーシーが描き写してきたものを見ながらジブリールに作って貰ったんだよ!
「リーゼロッテ様、魔法陣は出来ましたけど、起動させる魔力はどうしますか?」
龍脈で良いんじゃない?
さっきはコップ一杯分の龍脈で動いたんだよ。
魔法陣に龍脈を垂らすと輝き始めたんだよ。
なんだかいけそうな気がしてきたんだよ!
とりあえずリズに試して貰おうかな?
へんな場所に出ても自力で帰って来られそうだし。
「まあ、多少ずれても飛んでくればすぐだと思うのじゃ」
リズが魔法陣を踏んでも何も起こらなかった。
あれ?何も起きないんだよ?
どこか間違ってたのかな?ジブリール分かる?
「私にも、この魔法陣全体の仕組みは分かりません」
この魔法陣だけじゃ動かないのかな?
もう一度王都の魔法陣を見ないとダメだね。
「ゲートはまだ研究が必要ですね」
レナさんもがっくりと項垂れている。
仕方がないから、普通に王都に帰るしか無いんだよ。
ピヨピヨもおいて来ちゃったからね。戻らないと。
ゲートは諦めて、他の方法を考えるしかないかな?
どっちにしてもまずは王都なんだよ!
時間はかかるけど、リズに乗って王都に戻ることにしました。
それでも馬車よりも何十倍も速いんだよ。
レナさんは初めての空の旅に感動してたんだよ。途中までは。
リズが本気の速さを出したら気絶しちゃったんだよ・・・
「まさか本当に半日もかからずに王都に戻れるとは・・・」
さすがにもう夜中なんだよ。コモンズを出発したのが遅かったからね。
ちなみに王宮の中庭に着陸しました。
直接来て良いって言ってたからね。
今日は疲れちゃったから、もう寝ることにするんだよ。
お風呂に入ったら、眠くて限界なんだよ・・・
すやぁ・・・
おはようございます。
まだ早朝です。みんなはまだ起きていません。
一晩眠ったら元気になったんだよ。
でも、考えてみれば昨日は晩ご飯を食べてなかったんだよ!
凄いおなかが減ったんだよ!
で、目が覚めてしまいました。
着替えて廊下に出るとメイドさんに見つかってしまったんだよ。
「おはようございます、魔女様。お早いですね」
おなかが減って目が覚めたんだよ。
「そう言えば昨晩は何も召し上がらずに寝てしまいましたね・・・」
ちなみに他の人はちゃんと晩ご飯を食べたらしいんだよ!
私はお子様だから、眠気が勝っちゃったんだよ!
「では、お部屋にお持ちしますね。簡単な物しか用意できませんが・・・」
そうか、朝ご飯の準備はまだなんだね?
なんだか悪いことしちゃったんだよ。
しばらくすると、メイドさんがご飯を持ってきてくれたんだよ。
黒パンとトマトのスープとゆで卵。凄く美味しいんだよ!
おなかがいっぱいになったらまた眠くなってきたんだよ・・・
すやぁ・・・
どうやら、ご飯を食べてまた寝ちゃったみたいなんだよ。
普通の朝ご飯の時間にメイドさんが起こしに来てくれたんだよ。
さっきご飯を食べたから、おなかが減ってないんだよ・・・
それを踏まえてメイドさんは飲み物だけ用意してくれました。
さすが王宮のメイドさんはちょっと違うんだよ。
ゲートのことは魔法に詳しい人に任せることにしたんだよ。
なんたって、今回はルルアさんとジブリールも連れてきたからね。
その間に私はアンナとお散歩をすることにしたんだよ。
「リリスが護衛をするですの!」
そう、悪魔の人もみんな来ています。神様も。
みんなはゲートの方に行ったのに、リリスはこっちに残りました。
「ご主人様の護衛の方が大事ですの!」
まあ、良いかな?向こうには大勢居るし。




