第176話:ゲート復活
そう言うわけで、誰が試す?
と言うか、ゲートってどうやって使うの?
みんなの視線がヨナに集まる。
「しょうがない、私が見本を見せてやるなの!」
ヨナが魔法陣の中に入ると、光が集まってきた。
「別に何も必要ないの!」
呪文を唱えるとか、何か動作をするとか何も無かったんだよ・・・
魔法陣の中に入った次の瞬間にはヨナが消えたんだよ!
でも、これでヨナがコモンズに着いたかはどうやって調べるの?
向こうの魔法陣は使えないんだよ?
「馬車で7日かけて戻ってくるしかないかのう?」
そんなの待ってられないんだよ・・・
結局みんなでゲートに入るしかないんだよ。
これってみんなで入って大丈夫?
混ざったりしないかな?
混ざるのが怖いので、1人ずつゲートに入りました。
ゲートに入ると・・・ここどこ?
何で誰も居ないんだよ?私だけ別の場所?
ヨナ、どこに居るの?返事をして欲しいんだよ。
「リーゼ様、ここなの!」
なんか声は聞こえたんだよ?
上を見ると、ヨナが網に入って吊されてたんだよ。
もしかして、罠?ダンジョンでもないのに?
「たぶん、猟師か冒険者が仕掛けた罠なの!」
で、ここはどこなんだよ?
森の中だけど、近くの森とは違う雰囲気なんだよ。
「とりあえず下に降ろして欲しいの!」
でも、私には何も出来ないんだよ。
リズが来るまで待ってて貰うしかないかな?
下手に動くと私も罠に捕まると思うんだよ。
次に来たのはルーシー。
ルーシー、ヨナを助けられる?
「多少怪我をしても大丈夫なら可能です」
まあ、怪我をしてもお薬で治せるんだよ。
「リーゼ様ダメ、それ絶対痛いやつなの!」
レビ、アンナ、リズ、最後にレナさんもこっちに来た。
私じゃ魔法陣を固定化できないからね。
ちなみに、ヨナは無事にリズが助けてくれたんだよ。
「ここは?」
森の中だし、コモンズの外壁が見えないんだよ。
「たぶん、東門の外側の森なの!」
まあ、ダンジョンに来るためのゲートだったわけだしね。
あれ?でもダンジョンよりもゲートが古いんだよね?
ゲートのあった場所にダンジョンが出来たのかな?
その後にコモンズの街が出来たんだよね?
ところで、王都に行くためのゲートはどこにあるんだよ?
さっきみたいな魔法陣が見当たらないんだよ。
森の中だし、消えちゃったのかな?
「前にゲートで来たときは森の中じゃなかったなの!」
あれ?どういう事?
王都の魔法陣を間違えて直しちゃったのかな?
たぶんそのせいで出てくる場所がずれたんじゃないかな?
まずは分かる場所に出た方が良いんだよ。
「レビ、見てくる」
そう言って空を飛んで行っちゃったんだよ・・・
もちろん海龍の姿で・・・
街の近くだと騒ぎになるんだよ・・・
すぐにレビは降りてきた。
「あっち、街あった」
とりあえずレビが指さす方向に歩いて行くと、
街の外壁が見えてきたんだよ。
コモンズの街だと思うんだけど、門はどっちかな?
壁沿いに歩いて行くとようやく門に着いたんだよ。
「よう、リーゼちゃん。王都に行ってたんじゃないのかい?」
いつもの門衛さんなんだよ。
門の中に入ると、いつものコモンズの街なんだけど・・・
ここって西門だよね?東門の近くに出るはずだったのに。
ってことはさっきのは近くの森?
前に入ったときと様子が違ったような?
いや、近くの森だったら門は右手の方にあるはずなんだよ。
近くの森と逆って事は・・・
入ったらグレイスさんに怒られる森だったんだよ!
あっちは近くの森と違って魔物が多い森なんだよ!
一度私のおうちに行って休憩するんだよ。
ただいまー!
「お帰りなさいませ、リーゼロッテ様」
ジブリール、相談があるんだよ。ルルアさんも呼んで欲しいんだよ。
その前にお茶が飲みたいんだよ・・・
「お茶の用意が出来ました」
ジブリールがお茶を入れてくれた。
今日のは桃の香りがするお茶なんだよ。
「リーゼロッテ様、相談というのはなんでしょうか?」
ルーシー、王都にあった魔法陣は描き写してきた?
「もちろんです」
そう言って、魔法陣を原寸大で書き写した紙を取り出す。
この魔法陣は王都からコモンズまで移動するゲートの魔法陣なんだよ。
ボロボロだったのを私が直したんだけど、移動する場所がずれちゃったんだよ。
「ここのところが、移動先を示す座標だと思います」
じゃあ、そこを描き直せば良いんだね?
ところでなんて描いてあるか分かる?
「数字に直すと1149-5587-201ですね」
もしかして、この視界の隅に出てくるこれがそうなのかな?
鑑定するとき、説明文だけじゃなくて、数字が出てるんだけど、
それが現在地の座標なのかな?
ちなみに、ここは1149-5562-229なんだよ。
ちょっと近い気がするね。
コモンズ側の出口をどこにするか決めないとね。
「ところで、どうやって王都に戻るのでしょうか?」
レナさんが途方に暮れてたんだよ・・・




