第135話:祝福の源泉
15階層目についてドアを開けると・・・
また自然の洞窟だったんだよ・・・
「リーゼ、向こうに水が流れてる」
レビ?本当?ここダンジョンの地下だよ?
確かにせせらぎが聞こえるね。
水の音がする方に進んでいくと川が流れていた。
まずは水質調査かな?
リリスに頼んで汲んで貰った水を鑑定する。
名前:コップに入った水
品質:最高品質
説明:コップに入ったきれいな水。ダンジョン内の川で採取。魔力が回復する。
たぶん回復の泉と同じだね。
むしろこれが源流なのかな?
と言うことは、うちのお庭の祝福の泉もここが源流?
一通り探索した結果、こちら側には階段が無かったんだよ
そして、川はあるけど橋は無いんだよ。
ジャンプで飛び越えるのは無理だと思う。
泳ぐ?川底を歩く?魔力が回復する水だし、毒じゃ無いけど・・・
この川の中には魔物がいないのかな?
ちょっと覗いて・・・なんか居るよ!ゾワゾワしたんだよ!
でも、大丈夫。空を飛べる人がいます。
向こう岸まで運んで貰えば良いんだよ。
さすがに天井近くまでは来ないと思うんだよ。
まずは誰か1人空を飛んで・・・
ザバッ!
何?今の?お魚っぽかったんだよ?
顔だけで荷馬車くらいあったんだよ・・・
「あれだけデカいと何人分になるかのう?」
食べる気満々なんだよ・・・
「ご主人様が居れば食べきれなくても新鮮なまま保存できるんですの!」
ああ、みんなあれは食べ物な訳ね。魔物では無く。
なるべく、川の水を汚さないでね。
それはおうちの飲み水でもあるんだよ?
「りーぜ、問題ない。水、ばっちくしない」
パステルが元の姿に戻る。なんて言うの?クラゲ?タコ?
よく分からない姿なんだよ・・・
川の上空から触手?腕?脚?を水面に垂らすと、
お魚がジャンプしてきたんだよ!
それを空中で絡め取って戻ってきた。
川岸から遠く離れてからお魚を地面におろす。
今はまだ生きているから魔物だけど、
これをしめれば食材になるからアイテムボックスにしまえる。
でも、誰か出来る?
なんて言うかデカすぎなんだよ・・・
たぶんリズの本当の姿と同じくらいの大きさなんだよ・・・
こんなお魚さばけないんじゃ無いかな?
「普通は首と尻尾のところを切って血を抜くのですが・・・」
このサイズのお魚にそれは無理かな?
「まあ、とどめを刺せばいいんじゃろ?」
なるべく血の出ない方法がありがたいんだよ。
リズが思いっきり頭をぶん殴った。
しばらくビクビク痙攣してたけど、動かなくなったからこれでいいのかな?
アイテムボックスにもしまえたし。うん、大丈夫。
大きくて入らないかと思ったけど、アイテムボックスはスゴイね。
コレでこの階層のボスを倒したのかな?
じゃあ、向こう岸に渡るんだよ!
ばしゃぁぁぁ
あれ?今の1匹だけじゃ無いの?
まだ居たみたいなんだよ・・・
「リーゼ、しばらくお魚食べ放題!」
今度はレビが川面に近づいて川の中を覗き込む。
「うようよ居る。取り放題」
「それでは、みんなで協力してどんどん取りましょう」
別にそんなにいっぱい要らないんだよ・・・
あっという間にうちの悪魔と神様達が20匹ほど捕まえたんだよ・・・
どうするのコレ?とりあえずはアイテムボックスにしまったけど・・・
ちなみに、とどめを刺す前にみんなでぺちぺち叩いておきました。
経験値が少しでも入れば良いんだけど。
「りーぜ、やばい。デカいのが来た」
今までで十分デカかったんですけど?
既にお魚が空中に浮かんでるんだよ・・・
コレが本当のボスかな?
「リーゼ、大丈夫。レビに任せる。大きさなら負けない」
レビが本来の姿に戻る。確かにボスお魚よりも大きい。
それでどうやって倒すんだろう?
巻き付くのかな?噛みついたりすると、血が出そうだし。
「わがあるじよ、わらわが魔法でカチコチにしてはダメかや?」
スライム凍らせた魔法?
うん、その方が周りが汚れなさそうだね。
レビ、戻ってきて!
今からリズが攻撃するから。
「白き雪の女王よ、優しき歌声で安らぎを与えたまえ!ホワイトガーデン!」
リズが呪文を唱えるとあっけなく凍ったんだよ。
凍った状態でアイテムボックスに入れてみたら、
なんと普通に入っちゃったんだよ・・・
まあ、カチコチだからたぶん死んでるんだよね?
「リーゼ、レビに任せてっていったのに・・・」
でも、レビはどうするつもりだったの?
「巻き付いてベキベキにする」
それだと食材が傷んじゃうんだよ。
「なるほど、それは考えてなかった。危なく食べられなくなるところだった・・・」
こんなに大きなお魚料理できるかな?
帰ったらジブリールに相談しよう。
なんかボスっぽいのも倒したわけだし、
コレで次の階層に行けるかな?
念のため、レビの背中に乗って向こう岸に渡ることにしたんだよ。
何匹か雑魚のお魚は居たけど、襲ってこなかったんだよ!
やっぱりあのデカすぎるお魚がボスだったみたいだね。
ギルドに持って行ったらみんなびっくりすると思うんだよ。
川を渡った後は特に何も出てこないで、
あっさりと階段が見つかったんだよ。




