第1091話:新しい世界の計画
「そもそも、管理者が好きかってやったらめちゃくちゃになるっす」
言われてみればそうなんだよ・・・
でも、別に私も管理者になりたかったわけじゃないんだよ?
色々やらかした結果、気付いたら管理者権限を持ってたんだよ・・・
「普通はそうならないんだけどね・・・」
むしろ管理者権限なんて要らないんだよ!
私なんかが管理者になっちゃいけないと思うんだよ!
そんなわけで、私が好きかってやっても大丈夫な世界を希望します。
みんなと会えなくなるのは悲しいけど、向こうの世界とはかかわりを持たない方が良い気がしてきたんだよ・・・
なんか、私が何かやらかすたびに向こうの世界がおかしくなった気がするしね。
世界の修正だって1回だけじゃないんだよ?
「じゃあ、あの世界のことはあきらめる方向でいいのね?」
なんかすでに取り返しのつかないことになってる気がしてきたんだよ・・・
出来れば、何人かをこっちの世界か新しい世界に呼びたいところだけど、
誰を呼ぶかなんて選べないんだよ・・・
選べないならみんなをあきらめるしかないと思うんだよ・・・
「そうね誰かだけを呼ぶっていうのは不公平だもんね・・・」
そんなわけで、コヒメに新しい世界を作ってほしいんだよ。
私が作ると最高難易度にしかできないからね・・・
「そうね、ベリーイージーの世界?それとも同じ世界でやり直す?」
そんなの選べないんだよ。
だから、色々な世界を作ってほしいんだよ!
「色々な世界?」
だって、ログインしてログアウトすれば違う世界に入れるんでしょ?
それなら、色々な世界を体験してみたいんだよ!
「本当に好き放題なのね・・・」
もちろんなんだよ!
「それじゃあ、希望があれば教えて」
たまには悪役になってみたいんだよ。
福音の聖女様や、導きの巫女様や、薬神の使徒様や、白き癒しの魔女様や、救世の白ウサギ様・・・
とにかく今までのは全部尊敬や信仰の対象だったんだよ!
「最終的に女神っすからね」
実際の私はそんなにすごくないんだよ。
あれもこれもみんな私の仲間がすごすぎたからなんだよ!
仲間が普通の冒険者だったらあんなことにはならなかったんだよ。
「最初にドラゴン助けたのが間違い」
リズと仲間にならなかったらだいぶ私の物語は違ってたと思うんだよね?
「多分途中で死んでたんじゃないかしら?」
龍鱗の糸とか普通に冒険しただけじゃ絶対に手に入らないんだよ。
「なるほど。エリザベートに出会わなかった世界か・・・」
そもそも、普通の冒険者が普通に冒険すれば出会わないんだけどね?
「それもそうね、普通はあの部屋に行けないのよ?」
なんだろうね?呪いが複雑に作用した結果だと思うんだよ・・・
「まあ、リーゼロッテならどんな世界でも何かやらかすと思うっす」
それは全く反論できないんだよ。
どうせ色々考えてもどんなことをしようとやらかすんだよ。
「リーゼロッテの希望だけ叶えるのは不公平。黒音の希望も聞いてほしい」
みんなの意見で色々な世界を作れば楽しいんじゃないかな?
「それもそうね。あたしの中のリーゼロッテもそういってる」
それじゃあ、新しい世界のことはお願いなんだよ。
それはそれとして、私は何をすればいいのかな?
「しばらく時間がかかるから。本でもアニメでも見てて」
そうだね、心を落ち着かせるためにも荷物持ち君の物語でも・・・
って、あれはこっちの世界にはないんだっけ?
「そう、それなら黒音が探す。ちょっと待って」
ハナコがたぶれっと?を使って本を探してくれてるんだよ。
「これはどう?」
『ポータですけど、それが何か?』これはマンガ?
確かに、面白そうだね。
「マンガの原作の小説もある」
小説の方がいいかな?
まずはお試しでちょっとだけ見てみよう。
なんか、ポーターの女の子が偉そうだね・・・
内容はそれほど悪くはないんだけど・・・買わなくてもいいかな?
「これはどうです?私のおすすめです」
ヨシノ?
なんか嫌な予感がするんだよ・・・
『お嬢様とメイドの夜の物語』これもマンガみたいだけど・・・
ちなみにこれはどんなお話?
「それはもちろん題名の通りにお嬢様とメイドの夜の物語ですが?」
やっぱり嫌な予感がするからやめておくんだよ・・・
「そんなことないって、ほら!」
本の中身を無理やり見せてきたんだけど・・・
なんかお嬢様もメイドも裸なんだよ?
もっとも服を着ていないとどっちがお嬢様でメイドだかわからないけどね。
「はいはーい、この娘はちゃんとお仕置きしておくから、ちゃんとした本を選びなさい?」
やっぱりアカンやつだったんだよ・・・
アンドーは何かおすすめってない?
「私もメイドちゃんと同じような本が好きだからやめておくっすよ・・・」
じゃあ、アニメかな?
普通に勇者と魔王の物語とか無難な物語にしておこう。




