第1073話:スフレ王都の朝市
おはようございます。隣に寝ているのはティアです。
今日はスフレの国に行くからかな?
まあ、ペチンペチンするんだけどね・・・
「女神様・・・」
目を覚ましたティアがうっとりとした目で見つめてくるんだよ?
「朝食は現地で探すのでしょうか?」
それもありなんだよ!
あ、でも、ジブリールが用意しちゃってるかな?
「おはようございます、リーゼロッテ様。それでは朝市へまいりましょう!」
そんなことなかったね。さすがジブリールなんだよ!
ヤヨイさんとグレイスもつれてスフレの王都の探索なんだよ!
チリンチリン
ガチャ
「初めまして、冒険者のリーゼロッテ様。リーゼロッテ様担当のダウニーです」
初めまして。ダウニーさん。
もはや何も言わなくても冒険者のリーゼロッテとして接してくれるんだよ!
「とりあえずは市場でしょうか?」
朝市があるの?
「そういうわけではないですが朝早くから営業はしています」
そういうことなんだね?
お城から噴水広場を経由して商業区の方へ移動する。
これも大体どこの国でも同じようなつくりだね。
「奇をてらっても不便になるだけですしね・・・」
ジブリールの言う通りな気がするんだよ。
「リーゼロッテ様、こちらは!?」
ん?
なんかおいしそうな予感なんだよ?
「1杯30ルズだよ、食べるのかい?」
ジブリールが人数分の代金を支払う。
木のお椀によそわれたスープの様なもの。
白い粒々が入ってて溶いた卵がスープに浮かんでる。
卵かけご飯とはちょっと違うけど、すごくいい匂いなんだよ!
「これは・・・鶏ガラで採った出汁に卵を溶いたもの?粒は米ではなく押し麦でしょうか?」
やっぱりジブリールは食べただけで、ってまだ一口も食べてないね・・・見ただけだったんだよ・・・
「知っている食材であれば、見た目と匂いである程度はわかります」
ぱくっ、もぐもぐ・・・ぴしゃぁぁぁぁん!
こ、これはとてもおいしいんだよ!
「やはり、リーゼロッテ様はこういうシンプルで奥の深い味が好きなのですね?」
30ルズだから銅貨30枚?
「これは具材を少し追加して銅貨50枚くらいでもよいのではないでしょうか?」
ヤヨイさんは早速商売のことを考えてるね?
「大根とか鶏肉を入れるのもよいかもしれませんね?」
ジブリールは早速アレンジのレシピを考えてるんだよ・・・
「でも、リーゼちゃんなら干し肉を削って入れるのとか好きそうね?こんな感じに・・・」
そう言ってグレイスがどこからともなく干し肉を取り出してナイフで削ると、私のお椀に追加したんだよ。
適度に干し肉がふやけて味がしみ込んでおいしいんだよ!
「なるほど、干し肉のトッピングか・・・」
お店のお姉さんも興味があるみたいなんだよ。
「そのアイデアをいただいてもいいかい?」
別にいいんだよ?
それと、私がおいしいって言ったって看板に書いてもいいんだよ!
なんかヤヨイさんとジブリールがひそひそと会話してるけど、次のお店を探すんだよ!
「リーゼロッテ様はお菓子も好きなのですよね?」
ダウニーさんおすすめのお菓子とかあるの?
「そうですね、どちらかというとお菓子というよりはおつまみとして食べる人が多いのですが・・・」
私はお酒は飲めないんだよ?
「でも、私はお菓子として食べておいしいと思ったんです!」
まあ、ダウニーさんがそう言うなら試してみるんだよ。
「これです!」
ポテトチップに見た目は似てるね?
「これは芋ではないですね。トウモロコシでしょうか?」
トウモロコシチップス?
「トルティーヤと言います」
なんか色々なソースをつけて食べるのかな?
「普通はこのトマトのソースをつけるんだけど、お嬢ちゃんは辛いの大丈夫かい?」
辛いのは苦手なんだよ・・・
「じゃあ、チーズのソースがおすすめだね」
これも1人前は30ルズだね。
「じゃあ、私はトマトにしてみますね。リーゼちゃんも味見してみます?」
グレイスは辛いヤツを選んだね。でも、トマトなんでしょ?おいしそうではあるんだよ・・・
まずは何もつけないで。
ぱりぱり・・・
うん、まあ、これでも悪くないと思うんだよ?
次はチーズのソースをつけてみるんだよ!
にちょ、ぱりぱり・・・ぴしゃぁぁぁぁん!
こ、これは・・・先ほどとは全く別物なんだよ!
「トマトのソースもおいしいですよ。ほんの少しピリ辛くらいです」
じゃあ、ちょっとだけ試してみるんだよ・・・
ちょび、ぱりぱり・・・
うーん、ギリギリ大丈夫な辛さだけど、チーズの方が良いかな?
グレイスにもチーズのソースを試してもらう。
「なるほど、お菓子としてならこっちがおいしいと思います」
ヨーグルトとかもいけるんじゃないかな?
「ニニアは絶対にトマトですね」
あのポンコツエルフは辛いのが好きだからね。それほど得意じゃないのに・・・
でも、確かにこれはおいしいと思うんだよ!
アイスクリームと一緒に食べてもいいんじゃないかな?




