第1028話:クリーム大陸の学校
さて、帝都で3人の人材を確保できました。
平民の『プリム』さんと『ユーミ』さん、それに子爵家息女の『レレシュ』さんはブレアさんに預けてきましたし。
書類の分類程度なら出来るでしょう。
今度はクリーム大陸に行ってみましょう。
言葉が違うので通訳が必要なのですよね?
向こうの言葉が話せるのはリーゼロッテ様とヒナギク様とシャーリーもでしたっけ?
姫巫女騎士団にも居ましたっけ?
一番確実なのはリーゼロッテ様とヒナギク様ですけど、目立ちますからね・・・
目立つといえば姫巫女騎士団の団員もダメですね。何せ各国の王族ですし。
消去法でシャーリーですか・・・今どこに居ますかね?
彼女はダンジョン宿屋の店主ですがしょっちゅう出かけていますし・・・
「はーい!みんな大好きグラニテちゃんだよ?」
え?
いつの間に背後に!?
「クリーム大陸に行くと聞いたので」
まだ誰にも言ってないのですが!?
「ちなみにどこの国に行く感じですか?」
事務方の文官の採用に行くのですが、どこの国がよいでしょう?
「クレームブリュレ帝国の帝都オーバカナルに行けばいいんじゃないかな?」
そうですね、向こうに行ってから調査でもしましょう。
チリンチリン
ガチャ
「いらっしゃいませ」
ここは王宮なので、多少はこちらの言葉を放せる方も居るようですね。
「女神教の統一言語ですから」
まあ、そうですね。まだまだ普及はしていませんけど・・・
「本日、用事?」
ああ、本日はこの国の会計学院を見学に来ました。
「通訳は私が出来るから、場所だけ教えてくれれば大丈夫だよ」
何やらシャーリーがメイドさんと話し込んでいますがクリーム大陸語なのでさっぱりです。
そして、シャーリーの案内でやってきたのがここなんですが・・・
ここは会計学院ではないのでは?
どうにも雰囲気が違うというか・・・
「おやぁ?まだ不明な単語があったかな?」
わざとじゃないでしょうね?
「『帝立錬金術学校』って書いてあるね。この国で最高の学校って聞いたのが間違いだったかな?」
クレームブリュレ帝国は錬金術の国家ですよね?そこで一番と言えばこうなるのでは?
「ここにも面白生徒がいるかもしれませんよ?」
別に面白い生徒を探しているわけでは・・・
まあ、錬金術ではさすがに文官としては役に立たなそうですけど・・・
「まずは学食ですよね?」
なぜに学食なのですか?授業風景を見学したいのですが。
「でも、学食で人員を確保したと・・・」
結果論としてはそうでしたけど・・・狙ったわけではないのですよ?
「それにこの時間は昼休みです。私たちもお昼にしましょう」
むしろそっちが狙いですね?
「なんですか?この食堂は!」
堅パンと塩スープに見えますね・・・
あちらの方が食べているのは卵かけご飯でしょうか?
「なんでも錬金術の効果を高める食事だとか・・・」
リーゼロッテ様の普段の食事ですね・・・
「何か新しい発見があると思ってきたのに・・・」
どうやらシャーリーの目論見は外れたようですが、学生に話を聞いてきてもらいましょう。
「普通ですね。面白くもありません。この学院に来たのは失敗でした」
ほかの国に行ってみますか?
「ゲートが使えないのでは?」
この国には転移魔法を使える方が居ますよね?
「まあ、空を飛んでもいいんですけどね?」
ドラゴンですか?騒ぎになりますよ?
「それほどでもありませんよ?今呼びますね?」
いいえ、不要です。普通に移動しましょう。




