第1022話:井戸掘りとは・・・
「目玉焼き組、貴様らは今日は井戸掘りだウンディーネ様の指示に従え!」
奴隷ゴブリンたちを3組に分けて作業を分担することにした。
目玉焼き組、オムレツ組、ゆで卵組なんだよ。
やることはたくさんあるんだよ。
井戸掘りもだけど、柵を作ったり、建物を建てたり・・・
昨日は素材を用意してたからね、今日からが復興工事開始なんだよ。
虹色に光る地面は精霊の力に満ち溢れてるらしく、普通に精霊さんが実体化しています。
まあ、念のため全身精霊の付与がされた装備はしてるけど・・・
実は6大精霊の腕輪を外しても平気なんじゃないかって思うんだよ。
普段見たことがない小さな精霊さんもいっぱい居るしね・・・
「リーゼロッテ、これ全部ゴブリンたちにやらせるの?」
まあね、悪いことをしたから、これは罰なんだよ。
「でも、井戸なんて私たちが掘ったほうが早いのよ?」
そういうと、ウンディーネがスタスタと歩いていく。
ウンディーネが地面を指さすと、ウィスプがジュッと穴をあける。
それだけで水があふれてくる。
一瞬で井戸が出来ちゃったんだよ・・・
奴隷ゴブリンさんたちも呆然としてるね。
「道と違って水があふれるから固めるのが出来ないのよ」
やってることは精霊街道と同じなんだよ。
水を一時的に止めないと、井戸の壁が土のままだね。
そういう時はジブリールかルルアさんに相談なんだよ!
「なるほど、精霊様なら井戸も一瞬で出来ると・・・」
これどうすればいいかな?
どうにかして水が出るの止められない?
「無理に止めなくてもいいのよ」
あ、ヒナギクさん。どうにか出来るの?
「ゲートのドアよ」
ああ、なるほど。水を全部違う場所に移動させればいいんだよ。
「それだけじゃないのよ。例えば出口側を噴水にするとかね?」
なんか、それはすでに井戸じゃないんだよ・・・
なあ、でもその方がいいのかな?
「普通に作りますよ!大体、井戸なんて少し堰き止めれば止まります」
まあ、そこはジブリールにお任せなんだよ。
ジブリールの指示通りに精霊さんと奴隷ゴブリンたちが井戸を作っていくと・・・
なんと、一日で村中の井戸と噴水広場まで出来ちゃったんだよ。
まあ、ほとんど精霊さんが作っちゃったんだけどね・・・
ちなみに、オムレツ組の担当だった村の柵も、精霊さんが手伝って高い石壁になったんだよ・・・
もともとは木の杭に板を打ち付けて作る予定だったのに・・・
村の柵じゃなくて街の壁なんだよ・・・
「ついでに少し大きめに作った」
壁を大きくしちゃうと祝福されていない地面のところが出来ちゃうんだよ?
「またリーゼロッテが祝福すればいいだけ。薬が足りなければ作るの手伝う」
そんなわけで、私がじょうろでお薬を撒くお仕事をしてたんだよ・・・
くたくたになったのに、まだ半分も終わってないんだよ・・・
そして、精霊さんが手伝えない建物が全然進んでないね。
どうしようか?




