第1010話:世界は元通り
「リーゼロッテ様、各国の様子を確認しましたが、問題ありませんでした」
メイドさんたちがぞろぞろと戻ってきたんだけど、なぜかトリアも混ざってるね・・・
「ロッテがまた世界を救ったと聞いたのだ!」
私は世界を救ってないんだよ。
神様が世界を直してくれたんだよ。
そして、今トリアがハイタッチしている相手が神様なんだよ。
「イエーイ!一応はじめましてね、皇帝陛下?」
トリアがものすごく困惑した顔をしているね?
「ロッテが2人?」
私がリーゼロッテなんだよ。
「で、あたしが真白小姫」
神様なんだよ。
「そっくりなのだ・・・」
私と神様が腕を組んでくるくると回る。もちろん同じ服なんだよ?
「目で見ただけでは全く区別がつかないのじゃ・・・」
さすがにしゃべるとすぐにばれちゃうけどね?
「声は似てるけど、話し方の雰囲気が違うのだ」
神様は半分リーゼロッテだから見た目はそっくりなんだよ。
「半分?」
どうやら、別の私が神様の身体を乗っ取っちゃったみたいなんだよ・・・
「ある日突然この姿になってたのよ・・・」
もちろん、この私の仕業ではないんだよ。
「そうね、私の中にあるリーゼロッテの記憶では空中神殿はないもの・・・」
神様の中に居るリーゼロッテと、私とは別のリーゼロッテなんだよ。
「おそらくは三千世界に存在するリーゼロッテの中の一人」
まあ、難しい話はいいんだよ。
これで世界は元通りに戻ったのかな?
「そう思って問題ないわね」
ひとまずは一件落着なんだよ!
「それにしても、神はわがあるじの敵だったのではないのかや?」
今はお友達なんだよ?
「当時はこの世界を管理するのが仕事だったの、でもその仕事がなくなったからね・・・」
神様はお仕事クビになったの?
「違うのよ、この世界の運営自体が終了したのよ。この世界は破棄されたの」
それを私がこっそりと再起動して管理してたんだよ。
「だから、今は中立。なんだけど、リーゼロッテとはお友達だからね」
ねー?
「グレイスはずいぶん若返っちゃったのね」
アンドーも若返ったけど、まだグレイスよりも大きいね。
「チューニが至高と聞いたので!」
今グレイスは14歳なんだよ。アンドーは18歳くらいだよね?
「まあね、この前リーゼちゃんの薬で6歳若返ったからね」
でも、別に若返る必要はないと思うんだよ?




