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大海の鯱、井の中を知らず  作者: 異端(ヰタン)
seen_革命後の日々
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六話 裏プロローグへ

─会議当日─


すっかり整備された王室は戦争の痕を残す城では目立つ。


その内装もリフォームされ、会議用の机椅子配置となっている。


一つ真ん中のソファーにどっかり足を組み座り肘掛けに肘を突き頬杖のこの女がこれからこの国の政治を司る王となるデーメーテール。


そして参謀のサルタが長机沿いに並べられた椅子に腰掛ける。


よく目にする会議たる構図。


現在会議室に居るのはアドラ合わせ幹部三名と精鋭軍隊長格の八名程、そして監視員。


「もうすぐ集合時間になる...

まぁ、こんなものだろう、彼らが時間を守る程の生一本とはこちらも思っていない。」


(サルタが呟くと、壁際に座る精鋭軍隊長達が口を軽く抑えた。)


「一番時間感覚が鈍そうな奴は意外に几帳面なのには驚いた。」


サルタが机挟んで正面に座るアドラを見て言う。


(オレ)はガキじゃねえ。

...いつもなら〆てやる所だが王の御前、止めておいてやる。」


「...時間だな。

デーメーテール、騒がしくなる前にこれから先ず行うべき政治改革を提案したい。」


「構わんぞ、何だ?」


「一つ、兵役制度の改革は必ず国民全体へ発信すべきということ。

私が輔弼しますが表面上は王自ら御発布される必要がある。」


「広告を利用するのか。」


「ええ。そして発信してほしいのは元来の兵役制度は徴兵型でした。謂わば期間が決まったタダ働き。

ではなくこれからは給料型の一職業として雇傭する。という内容。」


「...つまり?」


「元来の制度では家を持たない"ばたや"が目立ち、そして"路地裏の社会"が誕生してしまっていた。ギリギリ生計を立てられる程の賃金を与え、最低限の暮らしを賜杯する。」


「賜杯を建前として国民を支配する...」


デーメーテールは頬杖を止め、ソファに(もた)れる。


「その通り。そして兵役には公共事業等の肉体労働や戦争時の兵士としての参戦等を基本とするコース、内部管理職や国政に関わるデータ等を纏めることを基本とするコース、そして王城、また城下町や都市部の運営等を行うコース、大まかにこの3つだ。」


「まて、城下町や都市部の運営は民間が経営している筈...買収するのか?」


「今のところ金は沢山ありますし、これを手中に納めれば跳ね返りは大きい。

そしてミソは、国営に転換した企業には"王眷族"として繁栄を約束するという形をとること。」


「兵役を雇傭制にして何かメリットはあるのかよ。」


アドラは議論の蚊帳の外だったのを気に病んだのか適当にアンチテーゼを唱えてみる。


サルタはアドラを一瞬見つめ、


「勿論メリットだらけだ。最低賃金という位置づけは言い方は悪いが"能の無い"者は満足するが"能のある"者はその才能を生かしたがる、つまり兵役では満足しないだろう。」


得意気に語り始めた。


「あぁ、それでホームレスも殆ど居なくなって国民全体の動向ががっちり把握出来ると...」


アドラはサルタから目を逸らし、頬杖を突く。


「話によると前王朝の悪政のお陰でそこに服従していた有能な役人達の心は離れていたらしいしなぁ、意外と新しい王朝に乗り換えさせるのも苦労しないかも知れないね、」


デメテが組んでいる足を解き、反対に組む。


「ああ、もう既に何人かには話を付けてある。

それに第一回の兵役雇傭試験を募集した所、退役の人達の応募も多かった。所詮は忠誠心はなく各々の生活に必死だった訳だ。」


「お、おい、まだその案は議決された訳じゃないのに...」


デメテが驚いた様子で言う。




そこに、扉が開きヘスティオが入って来た。


「あっ、あっ、あの皆さん、私には構わず続けて下さいぃ...」


空気感を察知したのかヘスはもじもじしながら告げる。


「気を遣わなくていいよ、あ、そうそう喉が乾いたからそこにあるアルコールコンロで紅茶、煎れてくれる?」


「はい、了解しました!」


ヘスは小走りでコンロのある部屋の奥へ移動していく。




「...コホン、逆にこの案を突っぱねる理由はありますか?」


サルタは眼鏡を調節し丁度窓からさす日の光の反射光がデメテに当たるよう掛け直した。


(相変わらず行動力の塊というかなんというか...)

「まあ政治のことは参謀のサルタに任せるけど...」


「では議決ということで。


...そして二つ目、麻薬の取り締まりだ。」


「それは私も行うつもりだった。というか、麻薬に対する世論は前々から反対派が多かったしねぇ、」


デメテがこう即答し、またアドラを蚊帳の外に熱い議論が交わされるかと思ったその時、


「はい、3人分の紅茶です!」


ヘスが盆に3つのカップを載せてやって来た。


そして3人の前にそれぞれ紅茶を置いた。


「ありがとうね、じゃあヘスはそこに座ってもらおうかな...」


デメテが指差したのはサルタの隣。


サルタはカップから口に流し込んでいた紅茶を少し吹いた拍子にカップに還元する。


「ブッ」


「プークスクス」


正面のアドラが爆笑している。

最早サルタがヘスに惚れ込んでいるのは革命軍時代からの有名な情報らしい。


...とそこへ、


「戦闘指揮、アンジェラ入ります。」


扉を二回ノックし、アンジェラが入ってくる。


「アンジェラ...よくぞ戻って来た...私はアンジェラの生存をモロクから聞いた時は本当に...」


「しかし皆さんは、やはり万歳気分ではないようですね。」


アンジェラはアドラの横に座る。


「まあ、要件は薄々気付いているだろう。」


デメテはサルタを軽くジロリと睚眦(がいさい)、その意図は本題に入る合図か。


サルタもそれに気付き左手を軽く挙げ承知の合図を送る。


その横にはちょこんと座り、足をブラブラさせたヘスが居る。





✝️






✝️





ほどなくしてアレスも合流し、まだ来ていない幹部はモロク合わせ二人のみ。


「モロクは恐らく城下町の下見にでも出ているのだろう、


...アイツは────

まぁそういう性分でも無さそうかな、」


デメテがお手上げを体で表現する。


アドラは溜め息をついた。


「単刀直入に言う...


───あれは誰だったのだ?」


空気は先程とは違い、真剣みを帯びている感覚。


「先の戦争において、五角天の一角を落としたにも関わらず報告に来なかった者...」


「...そして...」


アンジェラが徐に口を開く。


「私の生を繋いだ...」


サルタとデメテが目を見開く。


何故ならこの証言によりサルタとデメテの予想は遥か外れていることが露見したからである。


「アンジェラでないなら...それならば...王軍を実質潰滅させたのは...幹部以外セ 


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誰何するぞ誰何するぞ誰何するぞ誰何するぞ誰何するぞ誰何するぞ誰何するぞ

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